女子ムエタイの試合で飛び出した前代未聞のパンチ50連打に「北斗百裂拳」「まるででんでん太鼓」と視聴者が騒然。その一方、フラフラになりながらも殴り合うスリリングな展開に「止めてあげて」「よく凌いだ」など、両者に対する声援と心配の声が入り混じるアツい試合が繰り広げられた。
1月14日に開催されたONE Championship「ONE: HEAVY HITTERS」。女子ムエタイのストロー級戦で、スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(タイ)とエカテリーナ・ヴァンダリーバ(ベラルーシ)が対戦。両者意地で打ち合う壮絶な展開の中、2ラウンドにはヴァンダリーバが計50連発にもおよぶ壮絶なパンチの連打を浴びせ、一時スーパーガールを完全停止させる場面が飛び出した。
2020年に16歳で“秒殺”デビューを飾り一躍、注目株に躍り出たスーパーガール。一方、ヴァンダリーバは以前、元UFC王者のヨアナ・イェンジェイチックに立ち技で勝利した実績もある実力者だ。
試合はゴングとともにヴァンダリーバがバックブローを放てば、スーパーガールがフルスイングの右を返すなど、両者の意地と打撃が真っ向からぶつかり合う幕開け。バチバチの殴り合いに「本当に女子に試合かなのか」「喧嘩しても勝てる気がしないな」といった声があがる。
2ラウンド、距離を奪い合う互角の打ち合いから一転、スーパーガールをケージ際に追い込んだヴァンダリーバが怒涛のラッシュを仕掛ける。左右から繰り出すパンチは10発では止まらず、30発、ついには50発の乱れ打ちとなった。
容赦ないパンチの連打に「ボコボコだ」「打ちすぎ」「止めてあげて」「凌がれたらヤバイ」といった声が上がる一方、この猛攻を凌いだスーパーガールにも「よく耐えきった」と賞賛の声が。
パンチ50連打を放ったヴァンダリーバは一時、息切れぎみとなったが、両者は再びフルスイングのパンチでボッコボコに殴り合いをはじめる。ラウンド後半、ダメージの蓄積が大きいスーパーガールの動きが鈍くなるが、泣きそうになりながらも鋭い目つきで何とか拳や蹴りを放って気持ちの強さを見せた。
3ラウンド、スタミナを回復した両者は顔面への前蹴り合戦を展開する。さらにフルスイングの殴り合いで2人から掛け声が飛び出す壮絶な打ち合い再突入。心が折れないスーパーガールに、終始優勢だったヴァンダリーバも終盤やや失速気味となり、最後は両者譲らず連打で殴り合って試合終了のゴングを迎えた。
改めて試合を振り返るリプレイ映像を見たABEMA実況の西達彦アナウンサーがヴァンダリーバの連打を1から数えて50発打ち抜いていたこと確認すると、コメント欄には「北斗百裂拳」「でんでん太鼓みたいなパンチ」と改めて驚きと称賛の声が並んだ。
判定は2−1で意外にもスーパーガールの勝利。実況席から「え~」と驚きの声が上がると、当のヴァンダリーバも「Why?」と手を広げて判定に対する不服をアピールしていた。2ラウンドの50連打が鮮烈だっただけに、これには実況も困惑。西アナも「50連打も打った人が負けるのをはじめてみました」と語りながらも、1ラウンドと3ラウンドをスーパーガールが取ったと思われるジャッジの裁定を冷静に伝えていた。