1ラウンド残り10秒、狙いすましたオーバー気味の一撃で口火を切ると、目の覚めるような無慈悲な右の4連打で衝撃TKO。チャンスを逃すことなく、仕留め切った勝利に視聴者から「オーバーハンド一閃だった」「パンチでふっ飛ばすなんて…」と驚きの声があがった。
1月16日に開催されたプロフェッショナル修斗「2022 開幕戦」で、宇佐美正パトリック (EXFIGHT /LDH martial arts)と菅原和政(マスタージャパン福岡)が対戦。1ラウンド終了間際に、パトリックが渾身の右のオーバーハンドで菅原を吹き飛ばすと、最後は追い打ちの4連打を叩き込み圧巻のTKOで修斗3連勝を飾った。
LDHが世界で通じる格闘家を育成する「格闘DREAMERS」出身のパトリックは21歳。昨年の修斗デビュー戦、ヨシイノウエからボディフックでダウンを奪って1ラウンドKOを果たすと、続く2戦目も判定勝ちを収めて現在2連勝中。対する菅原は前回、西川大和に敗戦も、2戦連続して若手の有望株を迎え打つこととなった。
開始とともに関節蹴り、左ハイから入ったパトリック。ABEMAでゲスト解説を務めたレジェンド・宇野薫も「ボクシングで注目された選手だが蹴りも上手い」と指摘する立ち上がり。至近距離の攻防で、菅原に前蹴りを弾かれフロントチョークを取られる場面も冷静に対処してみせた。
菅原のインロー、パトリックの前蹴りと距離を保った攻防が続くなか、ラウンド後半、パトリックの振り抜いた右にフラッシュぎみに倒れる菅原。そこに追い打ちのパンチ。たまらずタックルを狙う菅原にパトリックが冷静にヒザを叩き込む場面も。
ラウンド残りわずかとなり、セコンドから「あと20秒」という声を聞いたパトリックは、ジリジリと間合いを詰めると、菅原が踏み込んでくる瞬間を狙いすましたようにカウンター気味の右を振り抜いた。これをまともに被弾した菅原は吹き飛ばされるようにダウン。さらに右を合わせたパトリックは、最後、怒涛の4連打。パトリックの勢いと破壊力にたまらず菅原が後ろにダウン。ここでレフェリーが割って入り試合を止めた。
「すげえ決定力」「パンチの正確さがやばい」「オーバーハンド一閃だった」「パンチでふっ飛ばすなんて…」とファンから驚きの声が殺到する一方、一部には「止めるのが早い」といった声もあったが、スロー映像の強烈な4連打に実況が「最後は4連打、もうダメだ!」と声を上げると「これは止める」「あごに入ってる」「止めて正解」など、大半がレフェリーの判断を支持していた。
また、コーナー側でぐったりと腰を落とす菅原に心配そうに駆け寄ったセコンドやドクターの様子が、何よりダメージの大きさを物語っていた。