女子軽量級の試合で飛び出した“ブン回し系“の剛腕フック。2ラウンド終了まで残り30秒から怒涛の3ダウンを奪って衝撃のKO勝ちを収めると視聴者から「剛腕だ」「女子でこんな壊し屋が…」といった驚きの声が上がった。
1月23日に後楽園ホールで開催された「RISE154」、小林愛理奈(FASCINATE FIGHT TEAM)と祥子JSK(治政館)の対戦は、2ラウンド終了間際、小林が右フックで奪った最初のダウンを皮切りに30秒で3ダウンを奪うラッシュでTKO勝利。軽量級のアトム級女子では珍しいダウン連発のKO勝ちを果たした小林は「倒せる女子」定着と2022年の戴冠を目標に掲げた。
小林はパワフルな戦いに定評のある21歳、アトム級ランキング1位。対戦相手はジム代表で2児の母親でもある38歳のベテラン祥子(ランキング5位)。
序盤はリーチで勝る祥子が距離を取りながらミドルを放つと、対する小林は距離を縮めてボディで返す展開。小林の勢いのある腹パン連打に、思わず祥子が組み付く場面が目立つ。
2ラウンド。前ラウンドのボディ打ちから一転、小林は近い距離で顔面へのパンチを見せ始める。祥子も得意の前蹴りで遠距離からの攻撃を試みるが、小林はローキックで距離を潰すとフックやボディ打ちで攻勢をかける。祥子がたまらず組み付くと、レフェリーからホールディングの警告が出された。
2ラウンド終了まで残り30秒を迎えると、試合は劇的なクライマックスに向けて一気に動き始める。警告を受けた祥子がミドル、パンチの連打で反撃に出ると、それらを冷静に凌いだ小林が、狙いすましたように右フックを一閃。祥子はガクりと崩れ落ちるようにこの試合初めてのダウンを喫した。まだ気持ちは折れずに再開後、すぐに前進して攻めた祥子だが、小林が再びテンプルあたりに強烈な右をねじ込んで2度目のダウンを奪う。
さすがにダメージを隠せない祥子だったが、ファイティングポーズで強い意志表示。2ラウンド残り5秒で再開すると、小林は冷静に左右のパンチを当てて祥子を吹き飛ばし、3度目のダウンを奪って劇的なKO勝ちを収めた。
30秒間で3連続のダウンを奪った小林に対して「パワーがある」「女子(のこの階級)でダウンを取れるんだ」「剛腕だ」「女子でこんな壊し屋がいるとは…」など、軽量級での豪快なKO劇に視聴者からは驚きの声が殺到した。
小林は試合後に「女子はKOが少ないと言われますけど、自分はこのスタイルでやっていくので。名前を覚えて、これからも応援よろしくお願いします」と力強いマイクまで披露。さらに、すでにアトム級ランキング1位ということから「相手がもういないので、チャンピオンとベルトを賭けて試合をしたい」と2度敗れている現王者・宮崎小雪への再挑戦を猛アピールした。