東京の中高一貫男子校の御三家の1つで、全国屈指の難関私立中学である麻布中学校の入試問題が「大人でも解けない」と話題を呼んでいる。
【麻布中学校 2022年度入試「社会」※抜粋】
問4.江戸時代には幕府の鎖国政策のため、外国と日本を自由に行き来することは禁じられました。しかし、オランダと中国の貿易船は、幕府の支配地である長崎だけに滞在し、出入りを認められていました。
(2)幕府の支配地である長崎だけに貿易船の出入りが認められたのはなぜですか。説明しなさい。
上記は、実際に同中学校の入試で出された問題だ。ニュース番組『ABEMA Prime』に出演したネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は「問題的には出島がどうこうで『隔離しやすいから』だと思うが、なぜかと聞かれたら『幕府が許可したから』にしかならないのでは」と述べる。
学校側は正解を公表していないため、同中学校のOBであるイェール大助教授の成田悠輔氏にも解答を聞いてみたが「正直わかりませんでしたw」だった。
中学受験塾大手の「四谷大塚」に模範解答は「幕府が貿易の利益を独占できるから」。これにひろゆき氏は「幕府が許可したからで僕は間違ってないと思う」とコメント。続けて、別の問題にも挑戦した。
【麻布中学校 2022年度入試「社会」※抜粋】
問13「日本に働きに来た外国人とその家族の人権を守るためには、どのような政策や活動が必要だと考えられますか。君が考える政策や活動の内容とそれが必要である理由を、80〜100字で説明しなさい。なお、句読点も1字分とします」
麻布中学校の入試は4科目あり、算数、国語は試験時間各60分で60点満点。理科、社会は各50分で40点満点となっている。上記の問題は、社会の全13問ある中で、最後の問題になる。また、麻布中学はこれまでも、理科で「ドラえもんが優れた技術で作られていても生物として認められない理由はなにか?」などのユニークな問題を出すことでも知られている。
ひろゆき氏は「先生はどうやって採点しているのか?」と疑問を述べた上で、問題に「外国人の入国をさせないような政策をやっている国もある。現在、日本はそれを(新型コロナウイルスの水際対策で)やっているじゃないか。間違いではないから、そんな簡単な解答でもいいなら逆に簡単に点数が取れちゃう気がする。『こんな政策は存在しない、できない』は言えないじゃないか。アメリカでは、トランプ大統領の時代に『イスラム教徒は入国させない』という政策をやった。宗教でその国に入れないようにするのは、政策としては実現可能だ。不正解にするのが、すごい難しい気がする」と指摘。
ひろゆき氏の解答は「低収入の外国人労働者が入国すると、低収入の自国人からの迫害を受けるのは世界中で証明されているので、“年収1000万円以上で日本国内で納税する”等を労働ビザの条件とする」。ひろゆき氏によると、実際にシンガポールでは就労ビザの取得要件として申請者の最低収入額が決められているという。
前述の成田氏にも解いてもらった。成田氏の解答は「いま日本がしている鎖国を進め、日本に働きに来る外国人を拒否する政策。そうすれば、日本人による差別や人権蹂躙で苦しむ外国人の方もいなくなり、日本より豊かで開かれた他国で働ける方が増えるため」。
成田氏の解答に、ひろゆき氏は「さっき僕もちらっと“鎖国”と言ったが、同じ結論になった。割と僕は成田さんと同じ結論になりがちなので気をつけようと思った」と苦笑。ちなみに、四谷大塚の模範解答は「日本語の能力や社会生活を送るうえで必要な知識を確認する検定制度を設け、達成した者には最低賃金を保障する。さらに、家族を養えるほどの収入がある者には家族の滞在を認めるといった細かなルールを定める」だった。
難しすぎると話題になっている麻布中学の入試問題。受験者には暗記だけではない、個人の考える力や発想力が求められているのかもしれない。(『ABEMA Prime』より)
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