迫稔雄のギャンブルマンガ「嘘喰い」が実写映画化。本作で白石麻衣は闇カジノを経営し巧妙なイカサマで客から金をむしり取るオーナー・鞍馬蘭子(くらま・らんこ)役を演じる。

 監督を務めたのは「事故物件 恐い間取り」などでお馴染みの中田秀夫。横浜流星演じる、天才ギャンブラーの“嘘喰い”こと斑目貘(まだらめ・ばく)が、日本の政財界そして裏社会をも支配する会員制の闇ギャンブル倶楽部“賭郎”で頂点を目指す物語が描かれる。「今作は挑戦的な役を演じさせてもらいました」と振り返る白石に、撮影中のエピソードなどを語ってもらった。

蘭子には筋の通った美しさがある 私は優柔不断な部分があるんです

 白石が映画に出演するのは2020年2月に公開された「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」以来。本作のオファーが来たときの心境について聞くと「すごくうれしかったです」と微笑む。

 「お話しをいただいてから原作マンガを読ませていただきました。蘭子からは派手な印象を受けると思いますけど、私は彼女の中にあるかっこよさだったり、筋の通った美しさみたいなものを感じました。そういう意味で、私とは真逆の存在だと思いましたね」。

白石が演じた鞍馬蘭子 (C)迫稔雄/集英社 (C)2022映画「嘘喰い」製作委員会

 写真集を発売すれば大ヒット。美しいのは外見だけではなく、凛とした清廉潔白の代表ともいえる白石は、多くの女性が憧れる存在だ。なぜ、蘭子とは「真逆」だと感じたのだろうか。

 「優柔不断な部分があるんです(笑)。私から見たらとにかく蘭子はとてもかっこよくて強い女性という印象。そんな蘭子を演じるにあたって、徐々に演技プランを考えていったんですけど、なかなか自分だけでは組み立てることができませんでした。なので現場入りする前に、中田監督とお話させてもらいながら、自分の中に蘭子像を作っていきましたね」。

 そんな中田監督からは「イメージは『極妻(極道の妻たち)』。とにかく声を低くするのを意識して」とディレクションされたという。

 「普段より声色を“低く”するように提案してもらいました。何回か『いつもの白石さんが出ちゃってる』と言われることもあったんですけど、女組長を意識しながら演じていましたね。衣装やヘアスタイルも派手なので、姿勢や表情、目の開き具合とかも意識して、蘭子というキャラクターに負けないようにしていました」。

 乃木坂46在籍時は同期の秋元真夏があざとい行動をすると、白石は「黒石さん」となり、その行いを強く指摘する場面もあった。闇カジノのオーナーである蘭子を演じる上で黒石さんを思い出したりは?

 「それはないです(笑)。蘭子は強さの中に優しさもあるし、ふとした瞬間に見せるかわいらしさもあります。なので、またそこは別の人物なのかなって」。

白石がこれまでの人生でついた嘘とは?

 “嘘喰い”と呼ばれる天才ギャンブラー・斑目貘を主人公に、熾烈なギャンブルの世界が描かれている本作。だまし合いゲームが繰り広げられ、シリアスさも漂うが、白石は「劇中にはほっこりするシーンもあるので、そこはぜひ注目して見て欲しいです」とアピールする。

 「蘭子の家で、食事をするシーンがあるんですけど、そこではアドリブが飛び交っていました。中でも梶隆臣(かじ・たかおみ)役を演じた佐野勇斗(M!LK)くんが、1番アドリブしていたんですけど、試写で出来上がった映像を見て『全然使われてないじゃん!』と嘆いていて(笑)。そんな、佐野くんはムードメーカーを担ってくれて、現場を明るくしてくれました。あの食事シーンは劇中で唯一と言ってもいいような、ほっこりするようなシーンなので、ぜひ楽しんで欲しいですね」。

 劇中にはなんともチャーミングな白石のシーンもある。

 「あのシーンは中田監督が一番テンション上がっていました(笑)。監督はホラー作品をたくさん撮ってきた方なんですけど、現場で『実はこういうキスシーンみたいなものを撮りたかったんだよね』と仰ってたんです。具体的に指示してくださって、その時、中田監督のチャーミングな部分を垣間見ることができました。和気藹々と盛り上がりながら撮影していましたね」。

 貘が仕掛けられたイカサマや嘘を次々と見破っていく痛快なシーンも随所に。白石は自分自身を「嘘を見抜く嗅覚は備わっていると思います。お話しする時、相手の目はしっかり見る方なので、もし嘘をついてたら落ち着きがなくなる人も多いかなって。視線だったり、手の落ち着きだったりに注目することで、嘘は見破れるんじゃないかなと思います」と分析する。

 そんな白石はこれまでの人生で嘘をついたことはあるのだろうか? 「嘘かぁ…。ないと思うんですけど……うん、やっぱりついたことないですね(笑)」と言い切った。

これからもファンの方と近い存在でありたい

 2020年10月に乃木坂46を卒業した白石。長年、苦楽を共にしたメンバーとは今でも連絡を取り合っているのだろうか?

 「『ご飯に行こう』と約束したりする子もいますし、卒業しても仲良くしています。みんなが頑張っている姿を見ると、勇気をもらいますね。私もグループを卒業して自分の道に進んだからこそ、乃木坂時代にいろいろ教えていただいたことを大切にしながら活動していこうと思っています」

 2021年11月、東京・東京ドームにて開催された乃木坂46の「真夏の全国ツアー2021」ファイナル公演では3期生や4期生の若手メンバーが乃木坂46の礎を築いた先輩へのリスペクトを語りつつ、「乃木坂46は私たちが守り続けます!」と高らかに宣言する場面もあった。現在の白石は後輩たちを見て何を思うのだろうか。

 「良い意味でこれからも変化していくと思うし、そんな後輩たちが成長して活躍している姿を見ると、素直にかっこいいと思います。もちろんキラキラとアイドルしている姿はかわいいし、これからも乃木坂の卒業メンバーとして、ずっと見守っていきたいですね」。

 今年1月に放送されたNHK・Eテレの番組「セッション いまを駆ける君と」では10代の悩める女の子に寄り添う姿が反響を呼んだ。「普段関わることのない中学生の子と実際にお話して“こういう悩みがあるんだ”と知ることができました。でも年齢差こそあったけれど私にも共感できる悩みでした」と振り返る。

 「グループにいた時に、後輩が入ってくる中で“恥ずかしい先輩にならないように、お手本になれるように”という気持ちが芽生えていきました。さりげなく人に優しくできる女性には憧れます。もちろん、友達も大事にしたいし、ここ最近、その思いは特に強くなっていますね」。

 白石と話をしていると、やはり筋の通った強さや美しさが備わっているように感じる。そう考えると、蘭子という役に近い人物だと思うが…。

 「まだまだ全然です。でも私も約10年間、芸能界のお仕事をさせてもらっていますけど、一般的な20代の女性が抱える悩みを当たり前に持っていて、ひとりの弱い人間です。そういう意味でも、これからも、ファンの方と近い存在でいたいと思いますね」。

 今後もタレントやモデルの仕事と並行しながら女優業を続けていく。「今回でまたお芝居の楽しさを知ることができました。今後もいろんな役に挑戦してみたいですね。演じてみたい役ですか? コメディ要素のある作品で、ぶっ飛んだキャラクターに挑戦してみたいです」と目を輝かせた。

 最後に映画の注目ポイントについて聞くと「特にラストのシーンはハラハラ要素が詰まっていて“貘はこのままどうなっちゃうんだろう…”と胸を掴まれる気持ちになると思います。ぜひ映画館で“ドキッ”とするような気持ちを味わって欲しいですね」と語った。

 映画「嘘喰い」は2月11日より全国ロードショー。

取材 / 大谷広太、中山洋平 テキスト / 中山洋平

撮影 / 藤木裕之

公式サイト:https://wwws.warnerbros.co.jp/usogui-movie

公式Twitter:https://twitter.com/usogui_movie

公式TikTok:https://www.tiktok.com/@usogui_movie

(C)迫稔雄/集英社 (C)2022映画「嘘喰い」製作委員会

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