混浴に潜む子どもの性被害… “混浴年齢”引き下げに小児科医「性教育を進めていく必要も」
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 温泉や銭湯などでの子どもとの混浴について、年齢制限を引き下げる動きが全国的に進んでいる。東京都では、今年の1月1日から、混浴の年齢制限が10歳以下から7歳以下に引き下げられた。

【映像】混浴年齢に今西医師「更なる引き下げが必要」

 きっかけとなったのは、2020年に厚生労働省が見直した指針。ここで決まったのが7歳以下への引き下げで、これに倣う形で各自治体も見直しを進めている。こうした子どもの混浴年齢の引き下げの動きについて、小児科医・新生児科医の今西洋介医師は「いい流れだ」と話す。

「10歳以上ってかなり二次性徴が始まっている時期。羞恥心は当然子どもの中にも芽生えていますし、異性のお風呂に入ること自体が子どもの人権から見ると少し違和感があるというか、あってはならないことだと思っていたので、全体的な流れとしてはいいと思う。令和元年に厚労省の調査が発表され、『異性の混浴が恥ずかしい』と思ったのが6歳が27%、7歳が21%。そういった部分で7歳に引き下げるのは第一段階としては妥当だと思います」

 実際に子どもを対象とした調査をもとに、制度を見直したことについては評価するとしているものの、今西医師は「更なる引き下げが必要」だと主張する。

「この調査でも実際に銭湯に対する246の公衆浴場の施設で調査しているんですけど、小児性被害のトラブルが発生しているのが1割くらいある。苦情があったのも15%くらいあるので、大体4つの施設に1つはそういった問題が出ているのが実態。男性の浴場に女児が入ることがあって、それに対する盗撮、身体的な接触……。父親が見つけて実際に発覚した例もあるので、そこの部分はちゃんと表面化しないといけない問題ではあると思います」

混浴に潜む子どもの性被害… “混浴年齢”引き下げに小児科医「性教育を進めていく必要も」
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 自身も3人の娘がいる今西医師。過去に小さな子どもを連れて男風呂に入った際、周囲の視線に危険を感じたこともあったという。

「男親が男風呂に一緒に娘と入るのは、多いというか実態としてあるので、注意しないと小児性被害は子どもの気持ち、精神的なトラウマを残しますから、親としては守ってあげたいなと思いますね」

 子どもの性被害はなかなか表面化しないため、年齢制限などの制度を見直すと同時に子どもへの教育も進めていく必要があると今西医師は話す。

「海外の視点から見ると、裸の子どもと混浴すること自体が犯罪というか違和感がある。国際的な基準で見るとおかしいところではあるので、その辺は変えていかないといけない。一方で子どもたちに関しては、触られたときや自分の体を撮影されているときに違和感を感じることが非常に少ない。実際に自分が性被害に遭っていると思わずに、なぜか体を触ってくるとか。あるいは、最近話題になっている口に手を入れてくる人がいるので『口も触られちゃいけない部分なんだよ』と教える必要がある。プライベートゾーンといって『水着を着たときに隠れる部分を触られたときに声を上げなさい』という教育は必要になってくる」(『ABEMAヒルズ』より)

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