日本で古くから愛されているナポリタンについて、およそ89%のイタリア人が「容認できない」とする調査結果が発表された。調査を行ったのは世論調査大手「ユーガブ」で、世界17カ国・地域を対象にしたアンケート「パスタにケチャップをかけることの是非」が論争の火種になっている。
その結果、じつに89%のイタリア人がパスタにケチャップをかけることは容認できないとする回答を寄せた。いまさらそんなことを言われても困るのだが…ということで、13日にABEMAで放送された『ABEMA的ニュースショー』では、来日15年の親日家であるイタリア人通訳のマッシさんに話を聞いてみた。
3月に自身の著書『イタリア人マッシがぶっとんだ日本の神グルメ(KADOKAWA)』が発売されるほど、日本のグルメに愛着があるマッシさんだが、ナポリタンについては「最初はケチャップを使ったパスタを見た時に驚いた。イタリアではパスタといえばトマトから使ったソースがメインになる。ケチャップといえば、ジャンクフードに使うもの。イタリア料理ではなく、麺を使った赤い色の食べ物みたいな感覚」と厳しい意見。
さらに各地域のトマトを使ってソースを作るのが一般的なイタリア人が日本を訪れると、ナポリタンについては「パスタにケチャップを入れるの? ひと口目から本当にごめんなさい。無理。食べられない」といった反応を示すよう。その理由についてマッシさんは「伝統料理を守るためには外からのものを入れない・使わないというのが強い。海外にあるイタリア料理をイタリア人に出して食べてもらえば、おそらく文句になるだろう」と続けた。
マッシさんの意見に対して、ナポリタン専門店「スパゲッティーのパンチョ」の総責任者である野尻圭介さんは理解を示す。
「トマトソースを本当に向こうは大事にしている。そこに対するDNAじゃないが、壊されたくないというのがある。トマトソースがおふくろの味、文化になっているので、日本のダシみたいに大事にしている」
そのうえで「ナポリタン専門店としては口に合わなくても当然だと思っている」とした野尻さんだったが、一方では「ケチャップを使ったパスタを目隠しで食べさせたら半分くらいの人は『食べられるよ』と。何も知らない人は『おいしいね』っていう人もある程度はいると思う」と自信ものぞかせる。
ただ、ナポリタンがイタリア人に敬遠される別の要素として「茹で具合」に言及。「ナポリタンにはアルデンテというのがないので、柔らかい麺なので、そこが受け入れられないのが逆に強いんじゃないかと思っている」とも述べた。
邪道問題はナポリタンだけにあらず。ピザにパイナップルをのせることに、およそ63%のイタリア人が否定的な見解を示したのだ。
そのことについてマッシさんは「パイナップルピッツァは『お店出ていけ』みたいにケンカになる。ピッツァ屋さんに電話して『パイナップルお願いします』と言ったら、冗談かと思われて電話を切られるくらい」とも。料理に対する情熱が高すぎるゆえ、ピッツァパイナップルは“注文拒否レベル”なのだという。
そんなマッシさんが最も許せなかったイタリア風料理を挙げた。それは、あんかけスパゲッティーだ。「パスタは茹ですぎて柔らかめ。ソースも訳わからない味で完食できなかった」と理由を語ったマッシさんは名古屋に住んでいたこともあるというが「無理でした」と漏らした。
一連の話を受け、千原ジュニアは「イタリア人にとってのパスタと、フランス人にとってのワインは概念や思いが我々とは全く違う」と大きく頷く一方で「明太子スパゲッティーなんてどうなんだろう。めちゃくちゃ美味しいと思う」と話した。
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