BACKSTAGE TALK #33 CHICO CARLITO

ABEMAMIX出演の合間に、ライター 望月“Tomy”智久 氏がアーティストにインタビューを実施!
ココでしか聞けないBACKSTAGE TALKをお届けします!

「“ラップやめようかな”とも思った」CHICO CARLITOが語る新作『Sandra's Son』。沖縄、家族、仲間、音楽、言霊が詰まったNEW ALBUMを携えて、“受け取る側より与える側”への再出発。
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ー『Sandra’s Son』をリリースするまでの5年間を振り返ってみていかがですか?

CHICO CARLITO(CHICO):制作していても全然納得が行かなかったんですね。したいことはあるけど自分の実力が伴わない。「ラップやめようかな」というところまで行ったんで。凹みは大きかったですね。

ーそれは楽曲に対してですか?

CHICO:そうです。全然クオリティが足りてなかった。
 
【映像】CHICO CARLITO ABEMAMIXライブパフォーマンス

「“ラップやめようかな”とも思った」CHICO CARLITOが語る新作『Sandra's Son』。沖縄、家族、仲間、音楽、言霊が詰まったNEW ALBUMを携えて、“受け取る側より与える側”への再出発。

ーそこからアルバム制作を決意するのはすごくパワーがいることだと思いますが、アルバムリリースを決めた理由を教えてください。

CHICO:
18歳のときにクラブで初めてマイクを握ったときの初期衝動というか、「やっぱりこれだ」 と思えたから。それは周りの仲間たちが「もう一回アルバム作ろう」と後押ししてくれたおかげでもあります。
今のA&Rやマネジメントしてくれているチームが沖縄まで来てくれて、俺も自分の正直な気持ちをちゃんと伝えることができたので制作が決まりました。

ーELIONEさんにエグゼクティブプロデューサーをお願いした理由を教えてください。

CHICO:
(イーライ)ワンさんにはもう長いことお世話になっていて気心知れた先輩なので、俯瞰で見てもらうことで一曲一曲のクオリティを上げたいと思ったからです。制作を決めて真っ先にお願いしました。

「“ラップやめようかな”とも思った」CHICO CARLITOが語る新作『Sandra's Son』。沖縄、家族、仲間、音楽、言霊が詰まったNEW ALBUMを携えて、“受け取る側より与える側”への再出発。

ー1993年生まれとのことで、活躍されているラッパーも多い年代というイメージがあります。同年代のアーティストから刺激を受けることはありますか?

CHICO:
ヤバいっすよね。黄金世代ですよ。JP THE WAVY、BIM、in-d、KID FRESINO、kZm、 MIYACHI、Taeyoung(TAEYO)、18Scott、NF Zessho、マジで数え切れないです。みんなから刺激を受けてます。

ーあらためてすごい世代ですね。

CHICO:
1993〜♪(class「夏の日の1993」を口ずさむ)って感じっすよ(笑)。

ー(笑)。そんな同世代のアーティストたちもこの5年でさらに大きく躍進しました。CHICOさんが落ち込んでいた時期、同年代のアーティストたちの活躍をどんな風に感じていましたか?

CHICO:もちろん嫉妬もありましたよ。一番近くなら唾奇もそう。唾奇は俺がラップを始めるその瞬間にいた人。スタートからずっとお互いを見てきたからあいつが上がっていくのは刺激にもなったし、その後ろで「俺は・・」と自分を省みることもあった。
ただ今でもマイメンだし、俺は友達に恵まれているなと思います。

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ー今回『Sandra’s Son』では対立構造ではなく、地元と東京の対比が巧みに表現されていたと思います。両方を経験したCHICOさんが思う、東京と沖縄の違いにはどんなところがありますか?

CHICO:
仕事のスピードと量と質。東京は最速です。

ーご自身では東京と沖縄、フィットしているのはどちらだと思いますか?

CHICO:
生活は沖縄ですね。仕事は東京。理想は東京と沖縄、半々くらいで生活と制作ができたら最高です。今回のプロモーションで東京に来て3日目なんですけど寒さとビルの圧迫感のせいでまともに眠れてないんですよ。漢さん(漢a.k.a.GAMI)は逆に沖縄に来た時に、周りに音が無いし、真っ暗だから眠れなかったみたいですけど(笑)。

ー『Sandra’s Son』でも沖縄のアーティストと東京を拠点に活躍しているアーティストがいいバランスで参加されていますね。

CHICO:
デラックス版とか出せるんだったら、もっとリスナーに楽しんでもらえるような組み合わせでもやりたいですね。今初めて言いましたけど(笑)。

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ー前作の「Carlito’s Way」のストイックな雰囲気よりも、よりポジティブなパワーをアルバム全体から感じました。特に顕著なのが「Ryukyu Style(Remix) feat.CHOUJI & 柊人」でしたが、沖縄に帰って心境の変化はありましたか?
 
CHICO:最初はやっぱ、帰ってからもツンケンしてたかも。でもそういうのは面倒くさいし、沖縄のみんなで上がって行きたいと素直に思いました。曲の冒頭、「全国に響く琉球Shit 全員で上げる地元のシーン」と歌っているのは本音です。

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ー沖縄は他の地域と比べても、活躍されているヒップホップアーティストが多い。若手からベテランまで全ての年代に世代を代表するアーティストがいて、CHICOさんも今年沖縄のラッパー/ アーティスト、リリースラッシュの雰囲気が出ているとTweetしていました。
それだけアーティストが豊富な要因はどんなところにあると思いますか?


CHICO:自分たちの街を着実にヒップホップの地図に入れていっている自覚はみんな持っていると思います。曲中の「受け取る側より与える側」このワンフレーズに尽きますね。あとは、沖縄そばじゃないですか?(笑)。まあ米兵は多いし、そういう土地だからアメリカのカルチャーに触れる機会は多いかもしれない。きっかけのひとつとしてはあるかもしれないけど、それが直接的に沖縄のアーティストを育てたという単純なことでもないと思いますよ。イコールではないが、ノットイコールとも言い切れない、絶妙なところですね。

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ー客演のCHOUJIさんは言わずもがなですが、柊人さんのバースも素晴らしかったです。あらためて紹介していただけますか?

CHICO:柊人はタメのラッパーで週3〜4くらい一緒にスタジオ入ってました。彼は作った曲を毎回送ってくれて、聴かせてくれますね。そこでアドバイスさせてもらったりしています。コーラスでは今までも参加してもらっていて、柊人もプロップス上げているので参加アーティストとして今回一緒に仕事できたのは嬉しかったです。
やってる奴が正義。よく飲む仲間の一人でもありますね。

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ー沖縄の人はお酒強いイメージがありますけど、おすすめの飲みスポットはありますか?

CHICO:
ゆいレール(モノレール)牧志駅近くに、お気に入りのお店が数十メートルの範囲にいくつかあって。飲み始めると抜け出せないんです(笑)。酒は唾奇がいちばん強いかな。

ー「Gati feat.ELIONE & JP THE WAVY」でのJP THE WAVYさんとの組み合わせが新鮮でした。今回さまざまなアーティストとコラボしていますが、制作プロセスを教えてください。

CHICO:WAVYとはずっとやりたいとは思ってたし、ちょこちょこ話してたのでこのタイミングでお願いしました。レコーディングは全て東京でやりましたね。基本、参加してくれたアーティストとは 一緒にスタジオに入りましたよ。それこそWAVYとだけは入れ違いになっちゃったけどスムーズにやり取りできました。「Here I Am feat.R-指定」ではRとの掛け合いがあるので、一緒にスタジオでアレコレ言いながら作りました。

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ー「赤い水平線 feat.SARM」で共演したSARMさんとも、かねてから交流はあったんですか?

CHICO:
「Orion’s belt feat.RITTO」のMVを撮ってくれたTOMOさんが紹介してくれたのがきっかけですね。デモをもらって日本でこんな人がいるんだとびっくりしたんだけど、「I still got it」を彼女がリリースしたときあらためて「本物だ」と感じました。
だから今回女性のボーカルを入れたいと思って、真っ先にSARMにオファーしました。「赤い水平線(Skit)」でピアノを弾いてくれたHITOMIさん(HITOMI SETO)もSARMの友達で、一緒にレコーディングしました。

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ー「Never Go Back」をプロデュースしたBACHLOGICさんとのお話もお聞きしたいんですが一緒に楽曲を制作してみていかがでしたか?

CHICO:10年前の自分に「BLさんと一緒に曲やってるよ お前間違ってないよ」と伝えてあげたい。反面やっぱり緊張とプレッシャーはありました。実は、歌詞を一年も待たせてしまったんですね。いつでもイケるようにしなきゃと戒めになった曲でもあります。

ーBACHLOGICさんのプロデュースワークとCHICOさんの個性が絶妙にブレンドされた曲だと思いました。『Sandra’s Son』のハイライトとして、hokutoさんに始まり、JIGGさん、DJ WATARAIさん、SHIMIさん(BUZZER BEATS)、Sweet Williamさん、OLIVE OILさんなど幅広いプロデューサー陣がありますが、共演した感想を教えてください。

CHICO:
たぶんこのメンツが一枚のアルバムにパッケージされている作品はあまりないと思います。お互いのいいところをブレンドするのはもちろん、それぞれのプロデューサーに、自分の力をさらに引き出してもらったという感覚はありますね。

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ーOLIVE OILさんとの「G.O.A.T.」では実際にあったでやろうやりとりやCHICOさんの心境が生々しく表現されていますが、制作時期としてはいつ頃だったんですか?

CHICO:ワンさんとの「23時30分」がいちばん最初にできて次に「G.O.A.T.」。この2つはアルバム制作の上で軸になった楽曲ですね。

ー「23時30分」ではOvallの「Take U to Somewhere」をサンプリングし、映画「カリートの道(原題 :Carlito's Way)」(1993年)で主人公のカリートが乗り込むマイアミ行きの夜行列車をオマージュしています。
以前、T-PablowがBAD HOP「HOOD GOSPEL」でラップしていた「夜の23時30分のマイアミ行きの夜行列車には乗せないぞカリート」というラインに対して、「もしもPablowに止められても夜の23時半出発予定の夜行列車に俺は飛び乗るよ」と応答していたり。
「Here I Am feat.R-指定」では「カリートからGOD FATHER」のラインが象徴的で、アルバム全体を通して遊び心とともに、成長したCHICOさんの懐の広さを感じました。
何か私生活で変化したことはあったんでしょうか?


CHICO:「23時30分」を皮切りにアルバムの世界観をどこまで展開できるか、という挑戦でもありました。実際に父親になったとかそういった変化があったわけではないです。
けど、友達のアーティスト名やクルーの名前を考えたり、名付け親として「God Father」を引用しました。
立場もスケールも視点も変わって行った5年という歳月を、いかに自分らしく作品全体でストーリーテリングするか、というのは意識した部分です。リリックはがっつりストーリーを軸にしているわけではないけど、音色の流れは繋がりを見出せるように構成しています。
「赤い水平線(Skit)」でピアノが入ることで、シーンが切り替わるというか、「俺は俺を信じている」というリリックで前を向いて、世界の景色がバッと変わるような演出ができたのは、最高な仕上がりになったと思います。

ー実際に映画を見ているような感覚で作品を楽しめました。曲順はCHICOさんが考えたんです か?

CHICO:俺が考えたものを、最後にワンさんがテコ入れしてくれた感じです。「Never Go Back」は 3曲目くらいに入れたかったけど、結局アルバムの最後と決めていた「Sandra’s Son」の前には、「Never Go Back」しか考えられなかったです。

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ー『Sandra’s Son』をアルバムタイトルにした理由と、この曲を作った経緯を教えてください。

CHICO:沖縄に帰って母と接する機会が増えたんですが、自分はまだ何も恩返しできていないと感じました。だから「ありがとう」という感謝の気持ちを込めて、タイトルにしました。「Carlito's Way 」で自分のことを歌ったから、じゃあ“ラッパーCHICO CARLITO”とはそもそも誰なんだと考えたときに、Sandra(母親のミドルネーム)の息子だよね。ということで『Sandra’s Son』。
このアルバムはラッパーの肩書きを抜きに、一人の人間としてパーソナルな作品にしたくて、家族やリアルな友達の名前を出しているんです。

ーおばあちゃんとの会話も「G.O.A.T.」で収録されていますね。

CHICO:今はもう元気になったんですけど、一瞬やばかったんですよ。ICUでおばあちゃんにご飯食べさせてあげたりとかしたんですけど、「こんななったらねえ、生きたくもない」とか拗ねた子供みたいなこと言うから、「おばあちゃんそんなこと言うんだ」って悲しくなっちゃって。
やることやらなきゃって気持ちになりましたし、その時期に母親がバタバタしているところも側で見ていて、母の強さを目の当たりにしました。

ーお母様にはもう聴かせたんですか?

CHICO:
母の誕生日に。本当は言葉にしきれないくらいだけど、喜んでくれました。

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ー先ほどABEMAでのライブを終えたばかりですが、『Sandora’s Son』の曲も初披露となりました。手応えはいかがですか?

CHICO:もうちょっと「初披露です」って言えば良かった(笑)。ああやって一人で人前でライブするのも2年振りなので緊張してたかも。

ーCHICOさんというと、フリースタイルというイメージが未だ根強いと思いますけど、個人的にはリリシストという印象が強い。そのイメージが今回の『Sandra’s Son』で更に広がるような気がしています。ご本人としてはどっちがフィットすると思いますか?

CHICO:そんな風にインタビューで面と向かって言われたのは初めてですね。でもフリースタイルも作品もどっちも自分のアイデンティティではあるのでどっちも変わらずやっていくっすね。
※このインタビューの帰り道、Abema Towersを出たところで、若者たちがサイファーをしている中に、颯爽と入っていくCHICO CARLITOの姿を遠目に見た。
作品とフリースタイル、その両面を大切にしていると語っていた言葉を裏付けるようなワンシーンだった。

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ーリリシストというと今日本ではC.O.S.A.さんが真っ先に挙げられるラッパーの一人だと思うんで すが、CHICOさんからも同じ系統の匂いをずっと感じているんですよね。

CHICO:めちゃくちゃ好きなラッパーなので嬉しいです。いつか一緒に何か出来たらいいなとはずっと思っています。タイミングっすね。

ー他に、リリースを経てこれから実現したいことはありますか?

CHICO:
アルバムツアーはもちろんですが、ワンマンをまだやったことがないので実現したい。そして全国でいっぱいライブして、お母さんにも稼いだお金で何かプレゼントしたい。あとは支えてくれた仲間とか、フットサルメンバーたちとコロナ明けにキャバクラにでも行きたいな(笑)。

「“ラップやめようかな”とも思った」CHICO CARLITOが語る新作『Sandra's Son』。沖縄、家族、仲間、音楽、言霊が詰まったNEW ALBUMを携えて、“受け取る側より与える側”への再出発。

ー最後に、読者とファンにメッセージをお願いします。

CHICO:
待ってくれてる人なんていないんじゃないか、実際そう思う瞬間もありました。だけど、聴いてくれている人たちが今も全国にいることを思うと、「お待たせしました。会いに行きます」って感じです。これに尽きます。

「“ラップやめようかな”とも思った」CHICO CARLITOが語る新作『Sandra's Son』。沖縄、家族、仲間、音楽、言霊が詰まったNEW ALBUMを携えて、“受け取る側より与える側”への再出発。
CHICO CARLITO『ABEMAMIX』SP LIVE SET
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AbemaMix Video - CHICO CARLITO
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