日本初の観光特化の“デジタル通貨”「ルーラコイン」 コロナ禍の不況脱却の目的も
デジタル通貨で目指す経済の復興
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 QRコードを読み取り、決済を行うサービス。これは日本初となる観光に特化した地域デジタル通貨で、その名も「ルーラコイン」。全国どこでも使用できる地域通貨サービスとして今年2月から兵庫県・有馬温泉などで実証実験を行っている。

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 使い方はいたってシンプルで、スマホから現金をチャージし、購入時にQRコードをかざすだけ。チャージのときには、プレミアムポイントも付与され、観光地でお得に買い物などが出来るようになるという。

 「限られた地域でしか使えない」「観光客があまり利用しない」という地域通貨の弱点を補うことが期待されるルーラコイン。生みの親である株式会社ルーラの橋本代表に話を聞いた。

「本当に見た目は、QRコード決済と一緒になりますね。我々はその観光地を応援するというスタンスでして。例えば、決済金額の1%を使ったエリアの観光協会さんだったり、自治体に寄付したり、旅行促進型の旅のコインとうたっているのですが、そこが最大の違いかなっていうふうに思います」

 これまでも観光地を活性化するための事業を数多く行ってきた橋本代表。2016年には、日本全国の温泉地を擬人化したキャラクター「温泉むすめ」をプロデュースした。

 ルーラコインは、その新たな活性化の手段として3年ほど前から実用化に向け動き出した。

「もっと幅広い世代に、しかも女性の方にも使っていただけるようなサービスを作ることによって、もっと観光地のお役に立てるんじゃないかなというところで、いろんな手段を探しまして。その中で、『さるぼぼコイン』という飛騨高山地方で使われている地域デジタル通貨のニュースを拝見しまして。この“地域デジタル通貨”というのと、ブロックチェーンというのを組み合わせることによって、また新しい経済圏を作ることができるんじゃないかと思いました」

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 現在では、決済サービスの他、旅行会社と提携した「ルーラコイン」限定の旅行プランなども計画しているという。

 さらに橋本代表が今後のカギになってくると話すのが、莫大なマーケットを誇る「温泉むすめ」の限定グッズ導入。観光地へ行きルーラコインでしか購入できない限定グッズを販売。そしてそれを、ネット上で売買できるようにすることでさらなるユーザー獲得と観光地活性化を図るのが狙いだ。

「わかりやすくいうと、本当に聖地巡礼ですね。旅に行く人は、それを入手して、売買をしたり交換したり。逆に旅に行けないけど、観光地を応援したいっていう方は、それを購入することによって、一部が寄付されたりなど、行く人も行かない人も楽しめるというところを作っていこうかなというふうに思っている」

 現在は限られたごく一部の観光地のみでしか使えないものの、実証実験などを通して、一定の手ごたえを掴んでいるという橋本代表。新型コロナにより大きな打撃を受けた全国の観光地をルーラコインの普及で再び盛り上げたいと意気込む。

「いずれコロナ禍が落ち着いて、人の往来ができるようになって、海外からもしっかりあの観光地に足を訪れる際に、海外だとキャッシュレス決済が当たり前だと思いますが、そういった形でプラスアルファのコンテンツをフックに、海外の方にもルーラコインを使っていただいて。インバウンドが復活した暁には、日本全国の観光地がルーラコインを通して盛り上がったらいいなという思いもあります。それまでに向けてネットワークを広げていきたいなというふうに考えています」

(『ABEMAヒルズ』より)
 

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