秋山成勲が、冷静さをかなぐり捨てた。3月26日の『ONE X』シンガポール大会で、秋山は青木真也と対戦する。DREAM時代にも青木から対戦要求があったが、その時は階級が違った。だが秋山はONE Championshipと契約すると、ONE独自の階級システムの中でライト級に落とす可能性も示唆。すると青木はあらためて対戦を求めた。

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 昨年秋にもONEからオファーがあったものの、秋山はケガを理由に断っている。そのことについて、青木は昨年11月の『Road to ONE』で批判。解説席の秋山を「虚構野郎」だとぶちまけた。そして今回、対戦が正式に決定。秋山にとっては初のライト級であり、減量や試合でのコンディションに関してはまだ未知数だという。それでもライト級での試合を受けたのは、相手が青木だからだ。

「昔からギャーギャー言ってて、その時は階級が違うから眼中になかったんですけど。また同じ団体になって、いい加減うるさいじゃないですか。キャッチウェイトでと言ったら、それもギャーギャー言い出して、じゃあリスクあるけど俺が落とすと」

 青木の烈しい言葉を、秋山は「売られたケンカ」と表現する。そして「後輩から売られたケンカを買わないのはカッコ悪い」とも。青木の格闘家の実力に関しては、高く評価している。リスペクトもある。ただ、人としてとなると話は別だ。

「人として好きか嫌いか……一周しても嫌いかな」

 青木が秋山を「虚構野郎」と言った大会は秋山がプロデュースしたもの。

「俺が集めたスポンサーでやってる大会ですよ。人としてダメじゃないですか。かしこぶってますけどバカでしょう

 青木の人間性になると、秋山の言葉も烈しくなるのだった。

「うるさいですからね。時期がきたのかなと。2度と俺の前に現れないようにしてやりますよ」「よくも悪くも友だちいないんじゃないかな」さらに「本当のケンカを知らない」とも。

「メディアの壁に守られた状態で噛みついて、薄っぺらいと思いますね」

 秋山は子供時代から、大阪や韓国のストリートで「本物のケンカ」を経験してきたという。殺してしまうかもしれない、あるいは殺されてしまうかもしれない。普段の試合はスポーツであり、その感覚を語ったり出したりすることはない。しかし今回は違う。

「見る人に何を感じてほしいか? 何もないです、今回に関しては。見てほしいとかも思わない。売られたケンカを買って、自分が勝って、自分で納得するだけです」

 青木戦に関してだけは、スポーツとは違う感情が入る。そういう時のほうが自分は強いという感覚もある。

「そう思わないと、この歳で自分を奮い立たせられないですし」

 青木へのメッセージを求められると「本当のケンカ見せてやるよ、まあ待ってろ。ぶっ殺してやる」。

 明らかにいつもとは違う秋山と、青木は対峙することになる。

文/橋本宗洋

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