3・26『ONE X』で青木真也と対戦する秋山成勲は、試合に向けての公式インタビューで驚くほど率直にその心境を語った。
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何度も対戦要求し、烈しい言葉で批判してきた青木に対し「かしこぶってるけどバカでしょ」など強烈な反撃。その一方で、この試合に関して「(格闘技)ファンはほぼほぼ青木選手についている」とも語った。
「それは僕が桜庭さんの件でヘタを打って、ファンの人たちを裏切ってしまったから。自分を悪く見る人はたくさんいる。それは仕方ないですよ」
秋山は昨年、YouTubeで清原和博と対談。その中で2006年の桜庭和志戦について語っている。体にボディクリームを塗って試合に臨んだことで、秋山は出場停止処分を受けた。その行為は故意ではなかったと説明していた秋山だが、清原との対談では「もしかしたら(自分に有利になる)というのは頭の片隅に会ったのは事実です」と語っている。
この“事件”に関しては「どうでもいい」とする青木だが、YouTubeには「桜庭さんに言ってくれって。受身の取りようがない」と今回の試合に向けたインタビューで語っている。
青木はこの試合で「文脈を見せたい」と言う。青木の生き方、秋山の生き方、両者がたどってきた歴史、それらを踏まえることで試合の味わい方も変わってくる。
だが秋山にとっては、青木という“うるさい敵”を叩きのめすだけだ。そこに“歴史”は関係ない。少なくとも、青木が口を出すことではないと考えている。もしかすると、この試合に向かう過程、そして試合そのもので日本の格闘技ファンの秋山成勲への視線も変わってくるかもしれないが……。
「そこは全然気にしてないです」
そう語る秋山。ヒールと言われても、自分からヒーローになりたいとは思わない、とも。誰に嫌われても、自分の道を進むしかない。
「桜庭さんのことは桜庭さんに返さないと。会って話をしないと前に進まないので」
その機会もいつか来るだろうと、秋山は考えている。
文/橋本宗洋