終わりの見えない、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻。国際社会によるウクライナ支援の動きが広がる中懸念されているのが、ロシア人に対するヘイトの拡大だ。
「私はロシア人YouTuberです。YouTubeは、仕事でもあり趣味。今、普段の動画を投稿すると、ロシア人という理由で『仕事や趣味を楽しむな』『心がない』『呑気だ』等の指摘を頂きます。ウクライナへの問題が起きてから、国籍によるヘイトが増えてきて私だけではなく、一般のロシア人の方々にも、そういったいわれのない誹謗中傷のコメントが来ている方もいます」
と話すのは、ロシア出身のYouTuber、ナスチャさん。ウクライナ出身の父を持つナスチャさんは2017年に来日。現在はYouTubeへの動画投稿に加え、日本に住む外国人向けのライブ配信サービス「おむすびチャンネル」のアンバサダーとしても活動している。
そんな彼女のもとにも、軍事侵攻が始まって以降、悪意ある声が届くようになる。
「自粛しろ。ロシア人は心がない」
「こんなことしてるならロシアに帰ったら」
「国の声それは市民の声」
「ロシア人だからロシア人も悪い」
「国家」と「国民」を一括りにされ、「ロシア人だから」といわれのない誹謗中傷を浴びせられたナスチャさん。軍事侵攻が続く中、自身の仕事であるYouTubeでの活動を控えるべきなのか。自問自答の日々を過ごす中、彼女を奮い立たせたのは、ウクライナに暮らし、今も国内に留まる親族からの言葉だった。
「『ナスチャは、この戦争に関係ないので、いつも通りの生活をして動画とかも出しても全然問題ないし』。なので、いつも通りの動画を続けました」
こんな状況だからこそ、自分の動画で少しでも多くの人を元気づけたい。そんな思いも後押しし、ナスチャさんは動画の投稿を継続。時にはカメラの前で、ヘイトへの思いを口にすることも。
「私が思うのは動画を出してる、出してないかというより国籍によるヘイトが問題だと思います。逆にこういった国籍によるヘイトや出自によって誹謗中傷をすることの方が新たな憎しみが生まれて新たな国際問題に発展しうる可能性があると思いますね」
この動画の投稿以降、徐々に応援の声が寄せられるようになったもののSNSでは、今も誹謗中傷を受けていると話すナスチャさん。母国ロシアに対するやるせなさを抱えながら、最後にこう訴える。
「誹謗中傷や国籍によるヘイトがなくなってほしい。国家と市民のすみわけをしてほしい。世界の情勢に関しては、早く平和が訪れてほしい」
(『ABEMAヒルズ』より)
■Pick Up
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側