お笑いトリオ・パンサーの尾形貴弘さん(以下、尾形さん)と娘のさくちゃん、愛犬のミクちゃんとの仲睦まじい日常をつづったブログが大人気の妻・あいさん。
実は、交際当初「この人と結婚したら破滅の道をいくんじゃないか……」と考えたこともあったそう。
ちょっと変わった(?)夫との結婚を決意した理由を聞いてみると、テレビでは見えない尾形さんの魅力が見えてきました。
■「俺の母ちゃんは……」比べる夫に不満が爆発
——後編では、尾形さんご夫婦について伺わせてください。尾形さんはおうちでどんなパパなんでしょう?
今でこそ……ですが、うちのパパ、昔はすごく地雷を踏んでくる人だったんですよ!
私と自分のお母さん(義母)を比べることを結構な頻度でしていて(笑)。ご飯の品数が少ないと、何の悪気もなく「俺の母ちゃんは必ず3〜4品は作ってたのに」って言っちゃう。
それで口喧嘩になって「もう!何なんだよ!?」とか言うと、今度は「俺の母ちゃんがそんな言葉遣いしてるのは聞いたことない!」みたいな。
——それは地雷ですね……。想像するだけでも嫌です……(苦笑)。
「じゃあ、あなたはお母さんと結婚すればいいじゃないですか!?」っていう(笑)。
ある日、我慢できなくなって「ちょっと聞いてくださいよ!」って気持ちでこのエピソードをブログに書いてみたんです。そしたら「尾形さん、それはないよ〜」「うちも悩んでます(涙)」みたいなコメントをたくさんもらって。そのコメントを読んでようやく、「親と比べられるのはつらいんだ」と気づいてくれたみたいです。
今はたまに「母ちゃん」って言いかけて「あっ、これは言っちゃいけないんだった……」って感じで飲み込んでくれてます。
■夫に気付いてほしかった育児の大変さ「お昼間もこんなに」
——その他、尾形さんと子育てについて意見がぶつかることなどはありましたか?
以前は、私が子育てにぐったりしていると「愛しい我が子にイライラするなんて考えられない!」というスタンスで注意されて、喧嘩になることもありましたね。
私からすると、パパは朝から晩まで外で働いているから、家にいない時間は私と娘の間で何が起きているかを知らないはず。そりゃあ、かわいい以外の要素が見つからないよ……って。
お仕事を頑張ってくれているのはもちろん、尊敬しているんですけど「私は私で戦ってるんだ……!」って思っていました。
——疲れている分、ついカッとなってしまうこともありますよね。
そうです、そうです。たとえばお母さんって、それまで当たり前だったことが当たり前にできなくなるストレスもあると思うんですよ。
子どもが何時に起きちゃうかわからないから、寝たいときに寝られない。自分ひとりで子どもをみている責任感があるから、昼間も気が抜けなくて。
——お母さんには、そういった見えにくい辛さもあるわけですね。
「何よりも子育てを優先して当然」っていうのは、誰よりもお母さん自身が一番意識してたりもするじゃないですか。だから「私だって飲みにいきたいんだ!」「外食して美味しいもの食べたいんだ!」とは、言いづらいんですよね。
ただ最近はパパとの喧嘩がすごく減りました。ブログでその日どんなことがあったか書くようになったのも大きくて、「お昼間もこんなに大変だったんだ」というのをパパに知ってもらえるようになったかもしれません。
■「この人なら絶対に家族を守ってくれる」と確信した『水ダウ』での奮闘
——ここまで大変そうなエピソードも多く出てきましたが、あいさんから見て、尾形さんの魅力はどんなところにあるのでしょう?
夫としてはカチンとくることもあるし、いろいろ言いますけど……。なんだろう。なんだかんだ人として尊敬できる部分がすごく沢山ありますね。
どんな仕事に対しても真面目に全力でぶつかっている。本当にすごい。かっこいいです。
あとパパは、「愛情のかたまり」みたいな人なんですよ。さくちゃんやミク(尾形家の愛犬)に対するストレートな愛情表現を見ていると、自分には真似できないなって思います。
——全力でまっすぐな尾形さんといえば、昨年放送の『水曜日のダウンタウン』の落とし穴ドッキリ(※)で奮闘する姿が話題になりましたよね。
ブログにも書いたんですけど、私、あれは何回見ても泣いちゃいますね。番組を観ながら、「ああ、本当にこういう人だよな」って。
もし家族が危機的な状況になったら、この人は絶対、一生懸命に家族を守ってくれるだろうなって。
だらしない部分もあるし、本当に腹立つことばっかりなんですけど(笑)、いざというときは、全力で大事なものを守る人だっていう信頼はものすごくあるんです。
その直感を信じて結婚したのは間違いじゃなかったって思いました。
(※)2021年11月24日の『水曜日のダウンタウン』(TBS)の企画「落とし穴に落ちたのに一向にネタばらしが来ないまま日が暮れたら正気じゃいられない説」で、7時間以上も脱出を諦めずに奮闘する尾形さんの姿が話題に
■「こんなにいいパパになると思わなかった」恋人から家族になって変わったこと
——最後に、あいさんが考える「夫婦円満でいられる理由」を教えていただけますか?
結局は、相手のことがすごく好きとか、そういうことだとは思うんですけど……。私達の場合は、やっぱり家族の存在がとても大きくて。さくちゃんやミクという守るものができたことで、彼の知らなかった一面を見ることができたんですよね。
——家族が増えてパパになる前の尾形さんは、今とはまた違ったのでしょうか?
昔は自由人だったので、「この人と結婚したら破滅の道をいくんじゃないかな……」なんて思う瞬間もありました(笑)。しょっちゅう飲みに行くし、すぐにサウナ行くし、ギャンブルするし、みたいな。
——そこまで……!当時は大変なこともあったんですね。
だから子どもに対する対応も、最初はあんまり期待してなかったんです。でも子どもが生まれたら、思ってた態度とは違って。
どうしてもさくちゃんが起きてる時間に会いたいからって急いで帰ってきたり、さくちゃんの顔を見に仕事の合間でも1度家に帰ってきたり……。
こんなにいいパパになってくれるとは思わなかった。父親として愛情たっぷりなところを見て、尊敬できる部分がまた1個増えました。
——そんな尾形さんのおかげで、関係がさらに深まったということでしょうか。
そうですね。パパとしてすごいなと思えたからこそ、相手を許す余裕も出てきました。
「今日は1日自由に休ませて欲しい」と言われたら、以前は「なんで自分だけ!私だって休みほしいよ!」って思ってたのが、今は「いいよ、行ってきなよ」って許せます。
「この人と結婚して大丈夫!?」なんて思うこともあったけど(笑)、やっぱり結婚してよかったです。