4月から成人年齢が引き下げられ、18歳になれば1人で賃貸契約を結ぶことができるようになる。今月、国民生活センターが新生活を迎える若者に向けて、賃貸トラブルに巻き込まれないための注意喚起を行なった。
壁やフローリングなど、故意・過失によってできた傷を修繕する際に使われる原状回復費用。しかし、高額なハウスクリーニング代を請求されたり、壁紙のわずかな傷で全面張り替えと請求されたりと支払う必要のない高額な費用を請求されるケースも多くあるという。
こうしたトラブルについて、自身も賃貸物件のオーナーを務める弁護士の加藤幸英氏は次のように注意を促す。
「一般的な使い方でできた傷については、入居者は基本的に負担する必要はない。一方で、小さなお子様が壁に落書きをしてしまったり、家具を移動させるときにガリガリっと床に擦り傷や大きな傷をつけてしまった際は、普通の使い方を超えるため、場合によっては過失といわれてしまう可能性が十分にある」
では、“通常”の使い方とはどう判断しているのか。
「例えば、壁際に置く冷蔵庫やテレビの場合、後ろ側の壁紙が変色してしまうのは仕方がない。これは誰が使っていてもそうなってしまうので、そういったものは普通の使用となる。そこは家賃に含まれているものとして、入居者が負担することは基本的にはないとされている」
国交省のガイドラインでも、「原状回復は借りた当時の状態に戻すことではないことが明確化」とされている。それでもオーナー側と意見の相違が起きてしまった場合、どのように対処するべきなのか。
「敷金がどのように精算されるのか、または敷金を超えるような請求があったときに、内訳がどういう風になっているのかを見せてもらうことが大事」
こういったトラブルは、退去時の問題と捉えられがちだが、入居時に物件の状況をしっかりと確認しておくことも重要だという。
「傷の箇所については、どこに傷がついていて、入居時からあったのか、なかったのかというのをはっきりさせること。そういったものは、市民向けの無料相談しているところや無料相談を行なっている(弁護士)事務所もあるので、払うことになった場合でも納得して敷金を精算したいと考えて行った方がいい」
(『ABEMAヒルズ』より)