福島県沖で“震度6強” 東日本大震災との関連性は?専門家に聞く
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 16日の午後11時36分、福島県沖を震源とする最大震度6強の地震が発生した。各地で停電が起こり、東北新幹線の白石蔵王駅と福島駅の間では新幹線が脱線する被害も出ている。

【映像】地震から一夜明け…脱線した東北新幹線

 ニュース番組『ABEMAヒルズ』は、海洋域の地震発生や海洋深部構造に詳しい東京大学名誉教授・笠原順三氏に話を聞いた。
 

――今回の地震はどのようなメカニズムで起きたのか。

「この地震は、太平洋プレートが北米プレートの下に沈み込むところの太平洋プレートの中で起きた。一方で、東日本大震災はプレートの境目で起きた」
 

――今回発生したのは、東日本大震災の余震域と同じ“逆断層型地震”。起きた場所は違うが形は同じと言えるのか。

「逆断層が起きたのは同じだが、起きた場所が違う。マグニチュードも非常に異なるので、揺れも違った」
 

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――東日本大震災との関連について、どう考えているか。

「東日本大震災は非常に大きな地震。例えばスマトラの地震は、8年後にほとんど同じ場所でマグニチュード8.5が起きている。スマトラの地震はマグニチュード9、東日本大震災もマグニチュード9、これぐらい大きくなると、非常に長い期間地震が続く。今回も、東日本大震災の余震域の一番西寄りのところで起きた」
 

――「余震」と「本震」の定義を教えてください。

「前震活動、本震、余震。異様に大きな地震の前に起こるのが前震活動。本震の後にしばらく続くのが余震活動。マグニチュード9ぐらい大きいと非常に広い場所で地震が起きて、それがいまだに色々なところで続いている」
 

――「本震」は、付近で起きた地震の中でも一番マグニチュードが大きいものなのか。

「はい。ただ、本震か余震かが分からないものもある。例えば、熊本地震は最初に本震だといわれていたが、後で大きな地震が起きた。同じ規模の地震が続いて起こることもある。その場合は『群発地震』という言葉を使う」
 

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――気象庁の中村課長は「1週間程度、特に2〜3日程度同じくらいの地震に注意が必要」と呼びかけているが、笠原氏は今回の地震についてどれくらいの期間気をつけるべきだと考えているか。

「昨年2月には、今回とほぼ同じ場所で地震が起きた。3月20日に石巻付近でマグニチュード6.9が起きた。5月1日には、その南の方でマグニチュード6.8が起きた。これらは全て関連して起きていて、1年3カ月くらいかかっている。だから、今回の地震の直接的な余震は1週間くらいだが、関連する地震は1年以上後から起きることもあるので、少なくとも1カ月は注意を要する」
 

――首都直下型地震のリスクについて、見通しを変えないといけないのか。

「首都直下型地震は千葉から茨城にかけて、首都圏の下にある太平洋プレートの沈み込みとフィリピン海プレートの境界付近で起きている。この辺りは地震活動が多い。南海トラフ沿いの地震活動、例えば和歌山では地震が活発に起きている。考えを変えるというよりも、首都圏直下や南海トラフの地震活動に注意するべきだ」
 

――今回の被害状況についてはどう見ているか。

「今回の断水や停電はそれほど大したことがなく、想像できるところ。一番心配なのは原発。福島の第一・第二原発があるところは、活断層が関係している。今回幸いにも影響はなかったが、西寄りで地震が起きると福島の原発に非常に大きな影響を与える」

(『ABEMAヒルズ』より)

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