今月16日23時36分ごろに起きた、福島県沖を震源とする地震。宮城や福島などの東北地方では震度6強、東京、千葉などの関東首都圏でも震度4の強い地震が観測された。
今後30年以内に、約70%の確率で発生すると言われているマグニチュード7クラスの“首都直下地震”。今、首都直下地震が起きたら、私たちの生活はどうなってしまうのか。『ABEMAヒルズ』は、その状況を想定し、被災地や避難所の様子などを再現した防災体験学習施設『そなエリア東京』の副センター長・澤善裕氏に話を聞いた。
地震の発生直後に必要なものにはどういったものがあるのか。澤副センター長は、第一に『身の回りの空間の安全確認』が必要だと話す。
「まず、自分がいる場所の安全確認が大切です。23時頃だと就寝していた方もいるはず。寝室、お部屋が安全な空間になっているかどうかです」
たとえ耐震基準を満たしている家でも、家具の固定などの“地震対策”ができていない場合、寝ているベッドに本棚が倒れてきて押しつぶされる危険があるかもしれない。そういった身の回りの安全確認が最初にするべき対策だという。
身の回りの安全の次に気をつけるのが「水や食料の確保」だ。
「災害が起きた後は、インフラが止まってきます。例えば『お水が出ない』とか『下水が流せない』という状況を考えますと、トイレが使えないときにどんな用意をしておけるのか。それから、ご飯を食べるため『必要なものを最小限備蓄しているか』の確認をしていただきたいです」
食料などの備蓄のほかに、『清潔に、快適に過ごせる用意』という視点も必要だ。水道が止まってしまった場合、トイレが流せなくなる。携帯トイレを備えておけば、袋に用を足して凝固剤で固め、ベランダなどで3週間程度保管することが出来る。
屋外に避難する際、どんなものを持てばいいのか。澤副センター長によると「大荷物を持っての避難はリスクが高い」という。
「自宅に居られなくなる場合、大荷物を持っての避難はスムーズに動けなくなります。できれば両手を空けられるようにリュックサックで、走って逃げられる軽さに荷物をまとめる。(中身は)2食分程度の食料と寒い時期なら体温を下げないようにするホッカイロや断熱シートなどの防寒道具。それから足元を照らすためのヘッドライトなどを用意していただいて、転ばないようにするといいと思います」
16日の地震では、多くの地域で停電が起きた。そういった時に役立つ身の回りのものはあるのだろうか。
「白濁しているもの、スポーツ飲料などは光を散乱させるので、それらとライトを組み合わせて、『ランタン』のようにして部屋全体を明るくすることが出来ます。逆に、注意点としては、ろうそくなどの“直火”になるものは出来る限り避けていただきたいです。地震には耐えたのに、その後の火災で建物が無くなったということが何度も起きているので、直火は使わないことです」
非常時のライトといえばスマートフォンの光をライトにする人も多いだろう。情報収集やライト代わり、災害時であっても切り離すことの出来ないスマ―トフォンの充電を長持ちさせる方法はあるのだろうか。
「iPhoneでもAndroidでも同じで、画面の明るさを可能な限り小さくしたり、設定を省電力モードに変更する、使わない時は機内モードにするなどして、内蔵バッテリーを可能な限り使わないようにするといった方法が挙げられます」
安否確認などの通知でもバッテリーは消費される。自分のタイミングで情報収取ができるよう『機内モード』や『省電力モード』を使って、バッテリーの消耗を抑えることが大事になる。
もし地震によって家具が倒れてしまった場合、片付けはすぐにやるべきなのだろうか。澤副センター長は「1週間程度は同じ規模の地震(余震)があると考えてほしい」と話す。
「すぐに起こせない家具などを起こすのは、固定ができないのであればリスクが高い。ただ、生活空間を圧迫すると思うので、その場合はまず起こして、重いものは下のほうに入れ、上のほうには何も入れずに、転倒しにくいように片付けておくのがいいでしょう」
また、地震保険等々のため「大きな損壊は記念写真を撮っておく」といった対策も有効だという。
(『ABEMAヒルズ』より)
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