ゼレンスキー演説に橋下氏「山東さんの“感動”って、演劇を見てるんじゃないんだから」「防衛装備品の開発や移転について考えるのが国会議員の仕事」
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 26日のABEMANewsBAR橋下』のゲストは元防衛大臣の稲田朋美衆議院議員。現在のウクライナ情勢や日本の安全保障について橋下氏と議論を交わした。

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ゼレンスキー演説に橋下氏「山東さんの“感動”って、演劇を見てるんじゃないんだから」「防衛装備品の開発や移転について考えるのが国会議員の仕事」
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 橋下氏は「ゼレンスキー大統領のあの演説を聞いた日本国民が、物価が上がったり、いろいろな形で生活に負担がかかってくるようなことになったとしても、ウクライナのためにはやむを得ないじゃないかと、そういう気持ちになったのなら僕大成功だと思うし、実際、国民の多くがそういう気持ちになったと思う」とコメント。

 その上で、「死を目の前に頭指揮を取っているゼレンスキー大統領にとって、日本は気を遣わせてしまったのではないかとも思う。ドイツでは“ロシアがこうなったのは、ドイツが経済を優先したせいだ”と言ったように、ヨーロッパでは相当きついことも言っているし、本当は日本に対しても要望したいことがたくさんあったのではないか。ただ、日本には憲法9条があるし軍事的支援はできない。だからこそ、復興の話をしたんだと思う。

 もちろん、岸田さんをはじめ皆さんが法整備をして、ヘルメットと防弾チョッキだけでも渡したことは、やらないよりはマシだったとは思う。だけど僕は“憲法9条があるのでこれしか送れません、本当に申し訳有りません”という気持ちになった。それなのに山東(参院議長)さんが締めの言葉で“感動”って、演劇を見てるんじゃないんだから。

 日本の装備品の備蓄が切れて、今回のウクライナのように他国からの支援を受けなきゃいけない場合だってあるはずだ。そうだとしたら、やっぱり他の国に渡せるような国じゃないといけないと思う。平和安全法制の議論のときに、後方支援の中で戦闘機の給油はどうなのか、武器の使用はどうなのかといった議論をしていたが、敵国から見れば“交戦国”という認定をされるかもしれない。

 そういうことを考えるのが国会議員なのに、あそこでスタンディング・オベーションをするというのはよくわからなかった。市民がどんどん亡くなっているわけだし、兵士たちにも敬意、尊崇の念はみんなが持つと思う。でも、戦争で“感動”じゃない。僕らみたいな国民から感じる感覚と、国会議員、いわゆる戦争指導をやらなきゃいけない人たちの感覚に、ちょっとギャップを感じた」と指摘した。

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 こうした橋下氏の訴えに、稲田議員は「日本のことをよく知っておられるのか、キーワードをしっかりと入れて感謝の気持ちを伝えられていた。非常に静かで、抑制的な演説だったと思う。もちろん、バタバタと市民が亡くなっていく中で、地対空ミサイルのような武器が欲しいというのが本心だったとは思う。そこは気を遣ってというか、日本の立場を踏まえたのかもしれないし、岸田総理もできるだけのことをやろうと決断、ヘルメット、防弾チョッキを供与するにあたって指針を短期間で変え、ウクライナのための条項を作った」とコメント。

 「これまでも安倍総理の下で装備品移転ついての運用を改善してきたが、殺傷力の武器を送ることで侵略されている市民の守るため、ということであれば、私は9条の下でも指針の検討をしてもいいと思うし、自分の国を自分で守るためのことは最大限やっておかないといけない。防衛装備品がギリギリの状況になった時のために輸入できるのか、あるいは国産でどこまでできるのか、という問題もそうだ。戦闘機だって、大変な研究開発費もかかるわけで、やはり移転を考えておかないと防衛産業が細っていく、安全保障を考えるのであれば、そういったこともこの際考えていくべきじゃないかと思う。

 まさに今が分岐点だ。ここで日本の安全保障政策を現実的なものにしなければならない。まずは打撃力も含めた抑止力の整備、そのためには防衛費を対GDP比で1%から2%に増やさないといけない。それから防衛装備移転三原則を見直し、国内産の装備品を増やすためにどうしたらいいかを考える。そして、ちゃんとアメリカに関与させるということだ」。

 橋下氏は「今回のウクライナの件はプーチンが悪いんだけど、もともとはNATOとロシアのいざこざやんか。自由、民主、尊厳のためって言うけど、政治家同士の喧嘩から始まったことやんか。なんでこんなことでウクライナの人たちが血を流さないといけないのか。日本の政治家にはこういうことやってほしくない」とため息まじりに話した。(ABEMA『NewsBAR橋下』より)
 

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