先週22日、茨城県水戸市のラーメン店がツイッターに投稿した内容が物議を醸している。
「当店では、トッピングの後から注文や追加注文はお断りしております。その断りの腹いせにこのような事をして帰る輩がいました。もちろん、店の外で呼び止めて2度と来るなと丁重にお断りしました。いくらやっても構いませんが、自分の行ける店が減るだけです」
そのような文面と一緒に投稿された写真には、ラーメンどんぶりの一面を覆うほど大量の爪楊枝が。しかもラーメンはほとんど食べていないから驚きだ。
写真を投稿したのは、中華そば「いっけんめ」茨大店。一番の売りは、1杯350円(大盛りは有料)と学生のお財布に優しい醤油ラーメンだ。スープは名古屋コーチンからとった鶏ガラベースに17種類の調味料をブレンド。麺はスープに合うように製麺所で打ってもらっている太麺。厚切りチャーシューまで乗って350円。オープンは朝8時で、朝ラーメンを求めて行列ができるほどの人気店で事件は起きた。
瀧江伸一社長はメニュー表を手に、黄色いマーカーで強調された一文を指さすと「トッピングの後からの注文はできませんというのが、当店の唯一のルール」と一言。ラーメンにつまようじ200本という暴挙に至った経緯について「店員が『お受けできません』お断りしたんです。そうしたら、逆上した」と話す。
防犯カメラが映した当時の様子を確認すると22日昼頃、店内が混み合うランチタイムに50代ぐらいの男が入店し、350円のラーメンを注文した。しかし、出てきても一向にラーメンを食べようとせず、メニュー表を手に何やら思案している様子。およそ1分後に追加でトッピングの玉ねぎを注文。店員が断ると、爪楊枝をどんぶりにぶちまけた。さらにコショウのキャップを開けてすべて投入。唐辛子も…。この男は無言で店を去って行った。
直後、瀧江社長は店外へ。30メートル先に男の姿を確認すると走って追いかけ『二度と来ないで欲しい。うちはあなたみたいな人のためにラーメンを作る気はさらさらない』と告げた。瀧江社長によると、この男は今年1月くらいから度々来店している。店外の行列を尻目に1、2分おきにトッピングの追加注文をする行為を5~6回繰り返すため、仕方なく食べている途中での追加注文禁止という唯一のルールが作られたという。
今回の出来事について心境を問われた瀧江社長は「350円と500円のラーメンしか出していない。これ以上のサービスどうしろって。それなりにこだわった食材を使って、いいものを安く提供するにはどうすれば、と考えた結果としてあらゆる無駄を省いて極限までコストカットに努めた」と苦しい胸の内を明かした。
瀧江社長は現時点で警察に通報しない方針だというが、きらり法律事務所の中川みち子弁護士は「爪楊枝をラーメンの中にぶちまけて他の人が使えなくしたこと。爪楊枝が入ったラーメンを片付けるのは危険なので対応に相当の時間を要したことなどがあれば、威力業務妨害罪で起訴することができる。ただ、業務妨害の程度としては低く、起訴されるかどうかはわからない」と法律的な観点から今回の件について見解を述べた。
お笑いタレントの千原ジュニアが「注文の途中では追加のトッピングはできませんというルールは彼が色々嫌がらせかのように、注文しては色々トッピングするから、あまりに悪質ということで作られたルール。自分が原因でというのを分かったうえで最後こういう行動をとったのでしょうけど…」と述べたことを受け、フリーアナウンサーの本仮屋リイナが「そのルールに対する腹いせで、わざわざ来店して食べる気が無くて注文している。意味が分からない。全然理解できない」と憤りを露わにした。すると、千原ジュニアは「ほんまやね。不愉快やね」と応じた。
備え付けサービスの限界について前出の中川弁護士は「食べるのであれば胡椒1本、唐辛子1本入れても法的には問題はないと考えられる。店側も乱暴な使用を訴えることはできるが、裁判所がどう判断するかは難しいところ。常識の範疇を超えると店側が規制したり、有料にしたりとお客が不利になるので、くれぐれも常識的にということだ」と解説した。(ABEMA『ABEMA的ニュースショー』)
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