昨年12月に芸能界デビュー10周年を迎えたAKB48の篠崎彩奈。これまで「女優になることが夢」だと公言していた篠崎が、大きな一歩を踏み出した。
ABEMAプレミアム限定のオリジナルドラマ『私が獣になった夜~好きになっちゃいけない~』第3話『危険な男との夜、関わりたくない私』にて、初ドラマ出演にして初主演、さらに初めてのキスシーンと情熱的なラブシーンに挑戦した。演じたのは、地方から上京し東京にWeb広告の会社に就職するも、キラキラ女子ばかりの職場で一人浮いている地味メガネ女子・典子。アパートの隣に暮らすのは、危険なにおいが漂う髭面タトゥー男の竜之介(中尾暢樹)。「好きになってはいけない」だと思っていた竜之介の優しさに触れ、恋に落ち、すべてをさらけ出すとなる。
初めてのドラマ出演は心臓が飛び出るほどの緊張を味わったという篠崎。「出演が決まったと聞いたときにはものすごくうれしかったのですが、同時に緊張でお腹が痛くなってしまいました。ずっとお腹が痛くて、1週間はご飯ものどを通りませんでした」と明かす。
現役アイドルという立場。お腹が痛くなるほどのプレッシャーを感じるのは、ファンの存在が大きい。「私のキスシーンを見たらファンのみんなはどう思うのか、それが1番気になるところです」。そこで『奪い愛、高校教師』(ABEMA)に出演し、キスシーンを経験したことのあるメンバーの岡田奈々にアドバイスを求めた。「『ファンの人の反応はどうだった?』って聞いたら、『色々と思う方もいたけど、あくまで役柄であって一つの作品。プライベートとは全く関係ないお仕事だよ』と言っていました。奈々ちゃんに話を聞いて、かなり気持ちが楽になりました」。
「これは仕事で一つの作品」「キスをするのは自分ではなく典子」。やるべきことが明確になると、緊張も不安もすべてエネルギーに変えて役に向き合うことができた。「監督からもドキドキも楽しんだほうがいいよ、と言われてその通りだなと思いました。キスシーンのときには体が固まってしまいましたが、それも典子らしさにつながって、よかったんじゃないかな(笑)」。篠崎の心境は、ピュアな典子という役柄に投影され、初々しくも情熱的なラブシーンが完成した。
今後も女優を続けたいという闘志に火がつくきっかけにもなった。「もともと女優になりたくてAKB48に入ったんです。芸歴10年にしてやっと自分のやりたいことができました。現場で典子になっていた時間を振り返ると、本当に楽しくて素敵な時間で、1番やりたいことはやっぱりお芝居だと明確になりました。これからもいろんな役にどんどん挑戦していきたいです」。
憧れの女優は元AKB48の川栄李奈だと明かす篠崎。女優としての第一歩となった本作で、注目してほしいのはキスシーンやラブシーンだけじゃない。「ドラマの内容を初めて聞いたときに、多くの女性が共感できる物語だなって思いました。恋愛って、男性が主導になることが多いように思えますが、女性だって自分の気持ちに素直になりたいときってありますよね。一つの作品としてキュンキュンしたり共感したりしてもらえたらうれしいです」。
芸能生活11年目、覚めない夢は始まったばかり。
『私が獣になった夜~/好きになっちゃいけない~』はABEMAプレミアムにて配信中。
テキスト・取材:氏家裕子、撮影:You Ishii