2日のABEMA『NewsBAR橋下』に元モーニング娘。の市井紗耶香が出演、ともに子育て中の橋下徹氏と、“子育て政策のアップデート”について議論した。
【映像】橋下徹×市井紗耶香 国政目指した元モー娘。の日本アプデ法案
市井は「今は『出産育児一時金』として42万円が一律支給されている。でも、正直言って足りない。私の場合も一番下の子の出産のときには上の子の中学校進学と重なる時だった。しかも親が亡くなっていて頼るところがなかったので計画出産を選択したが、その自己負担が60万円くらいかかった」と明かし、「地域によっても、産院によってもかかってくる費用は違うので、ケースバイケースで保障してもらえると助かると思う」と訴えた。
橋下氏は「年金受給者に5000円を配るっていう話もだけど、みんながみんな困っている人かといったら、そうではない。すでに退職して月給はないかもしれないが金融資産を持っている人はいっぱいいるし、それはどちらかといえば若い世代よりも高齢者の方が多い。家も持っている、貯金もある。そういう人たちにまた5000円を配るとなると、何のために年金ルールを作ったのかと。日本の政治が本当にダメなのはそういうところだ。それだったらこれからの日本を支える子どもたちを育てている世代への支援策に力を入れようと言う、そういう人たちが国会議員にならないとダメだよね」と応じる。
「例えばフランスは子どもを産めば産むほど税金が下がる。そしてベビーシッターに使うとか、お金の使い方は自分たちで考えてくださいと。僕はそのやり方に賛成だけれど、日本はそういう強烈な減税策はやらない。ハンガリーでは子どもを産むと、年収の2.5倍にあたる額まで融資をしてくれる。そして3人産むと返済が免除になり、4人産むと生涯、個人所得税が免除だ。住宅ローンも学生のローンも、国が補助、免除してくれる。日本は、みんな教育費のことで悩んで“3人目やめよう”とか踏みとどまってしまう」。
市井氏は「それはすごく大きい。私も一番上の子が大学受験を控えているが、ものすごくお金がかかる。できる限り親が援助してあげたいというのが親の願いだけれど、サポートしきれなければ、奨学金という形で学生が背負うことになる。そういうところも含めて子どもに投資をすることが必要だと思う」。
橋下氏は「ただ、ハンガリーは移民反対なんですよ。その代わりに自国民にどんどん産んでもらう。1人の女性に3人産んでほしいという目標を掲げている。車も7人乗りを買えばドーンと補助金が出る。日本でも、政治がある目標を決めて、そこに向かって大量に税金を投入していく。政治の力でそういったことができるのだろうかと。うちも子どもが7人いて、大学生が2人、浪人生、中高と続いているから。みんな公立行くはずだから大丈夫だろうと思っていたら、1人を除いてみんな私学に行っちゃって(笑)」。
さらに市井は、「橋下さんもそうでしょうし、私も、私の主人もフリーランスなので、先行きに不安がある。芸能界だって、コロナでストップしたし。育休を取りたくても、フリーランスで働いている身としてはすぐに復帰を迫られる。男性の個人事業主の方だって、本音は育児に協力してあげたいけれど、仕事を止めてしまうと、収入が途絶えてしまうことになる。じゃあ誰が保障してくれるの?自己責任なの?というところに行きついてしまう」と、フリーランスに対する支援も訴えた。
橋下氏は「これも、フリーランスの経験がある人が国会議員に少ないからこんなことになる。大体、大学を卒業して企業に勤めたり、いきなり政治家になったり。議員秘書もフリーランスと言えばフリーランスだけれど、いずれにせよ個人事業の大変さを国会議員は分かっていないよね。年金の制度で言えば、国民年金が1号、2号が会社員や公務員、3号がその配偶者ということで、そこまではカバーできている。でもフリーランスがないので、そこに4号という新しい枠を作る。あるいは育休は健康保険の中の制度なので、そこも整備しないといけないんじゃないの、といった議論が出ている。だけど政治家がやらない」と指摘。
その上で、「やっぱり働き方改革でフリーランスの人が増えているわけだし、そういう人達が元気に働けることが経済成長につながるわけだから、しっかりサポートするような政策が必要。個人事業主の売上や収入を丸々保障するのは無理だとしても、最低限度の生活費分ぐらいを出すくらいの保障は考えないと。こうやって問題意識を持っている市井さんが、やっぱり自分で政治家にならないといけないんじゃない?(笑)」と、夏の参院選への出馬を辞退した市井に“再考”を促していた。(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)