“育児体験制度”で未経験世代が明かす育児の大切さ「最初から一緒にやる意識が大事」
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 現在、日本の男性の育休取得率は約12.7%とまだまだ低い中、政府は2025年までに3割に引き上げたいとしている。今月から制度改正がスタートする中で男性の育児休業取得を積極的に支援する企業を取材した。

【映像】自分のコートも脱ぐ暇も… 育児体験を行う男性社員

 今月1日から段階的に施行される「改正育児・介護休業法」。事業者は出産の申し出をした従業員に育児休業を取るかどうかを確認することや、育児休業を取りやすいように職場環境を整備することが義務付けられる。また、今後は育休を分けて取れるようになるほか、育休取得率の公表も義務付けられる。

 3カ月間の育休を取得中の関根さんが勤めるヘイ株式会社では、パートナーの出産予定日前後で10日間の特別有給休暇が取得でき、育休を3カ月以上取得する社員へ30万円の祝い金を支給するなど、様々な制度を導入している。その結果、男性の育休取得率は5割を超えている。

「ミルクの作り方とかも正直、初めて知ったので色々と学ぶことは多かったです。育児は楽しさももちろんあるが、大変なことも多いと実感してますし、有意義な時間を過ごしていると思います。成長を見守る時間が長いのはいいと思うので、育児休暇をとってみたいと思っている方がいれば、会社にその意思を伝えてもらうことが重要だと思いますね」(関根さん)

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 また、制度改正をきっかけに今月から一風変わった取り組みを始めた企業があった。

「育児の場を実際に見る機会がないので、育児を体験するってすごく楽しみでありながら、できるのかなと不安もあります」(徳永光佑さん)

 こう話すのは、株式会社ランクアップ宣伝部の徳永光佑さん。会社に試験導入されたのは「育児体験制度」。育児経験のない社員が、子どものいる社員の自宅でリアルな育児を体験を行う。今回、受け入れてくれた先輩は7歳と5歳の2人の子を持つ望月さん。この日はパートナーの帰宅が遅く、お迎えから夜の寝かしつけまで1人で行う予定だった。

 早速、徳永さんは望月さんと一緒に長男・はるとくん(7)と次男・ひびとくん(5)のお迎えへ。帰宅後は、子どもたちに手洗いを促したりと、自分自身のコートを脱ぐ暇もなかった。「順番がわかんなくなっちゃいますね。だめですね」と早速翻弄されている様子の徳永さん。一息つく間もなく、バタバタと夕食準備に取り掛かった。

 調理中に望月さんから「21時に寝かせたいので逆算してね」と言われ、「はい、すいません」と焦る徳永さん。その姿に「仕事は謝ることないくらいできるのに」と望月さんは茶化した。調理手順を間違えるなど悪戦苦闘しながらも、なんとか夕食のナポリタンが完成。子どもたちからの反応も良く、徳永さんは胸を撫で下ろした。その後、子どもたちをお風呂に入れ、髪を乾かしてあげたり、遊び相手になったりと休む暇はなかった。

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 子育て経験のない世代からの希望で実現したこの制度。母親社員である望月さんはどう受け止めたのだろうか。

「『私たちこんなに大変なんだよ』というのを知ってほしいわけでは全然ないんですけど、これをきっかけにパパとかママとかじゃなくて、子どもの親という立場で協力していける家庭が増えていったら会社の理解も深まっていったらすごい嬉しいです」(望月さん)

 仕事の後、育児を体験した徳永さんは「ものすごく大変だった」と話し、育休に対する考えを述べた。

「育休って休が入ってるので、”休み”みたいな感じですけど、実際は休んでいる時間はほとんど少なくなっているのかなと。女性がやっているのを手伝うという感じで、僕も(子どもが)生まれたら手伝おうと感じではあったのですが、最初から一緒にやるという意識が大事だなと思ったので、この体験を通して育休を取ってしっかりと(夫婦)2人でやっていくというのが大事なんだなと思いました」

(『ABEMAヒルズ』より)

【映像】自分のコートも脱ぐ暇も… 育児体験を行う男性社員
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