先月29日、政府与党などが検討していた年金生活者に対する5000円の臨時給付金に対して自民党の高市早苗政調会長が「ゼロベースということです。何も決まっておりません」などと述べ、白紙撤回した。事の発端は先月15日、与党幹部らが岸田総理を訪問し、新型コロナウイルス感染拡大の影響で年金受領額が減る高齢者などを対象に一律5000円の給付を実施するよう求めたもの。これに対して与野党から「参院選に向けたバラマキ」「年金が減るのは現役世代の収入が減ったから。なぜ高齢者にだけ給付するのか」など批判の声が上がっていた。
一連のドタバタ劇に対して、「5000円給付…そもそも何なんですか？」と失笑したのは、お笑いタレントの千原ジュニア。3日に放送されたABEMA『ABEMA的ニュースショー』において、ジャーナリストの青山和弘氏にストレートな投げかけを行った。
これに対して青山氏は「今の岸田政権は、茂木幹事長、副総裁の麻生さんの3人で事実上動かしている。5000円給付問題についてもこの3人で話し合って決めている」と説明したうえで「完全な選挙対策です」ときっぱり。さらに「お年寄りの投票率は若者の倍ぐらいある。年金が今年度から少し下がる。年で5000円くらい下がる。それをちょうど補填しますと3人で考えて、一応、党から要請を受けたという形でセレモニーをやったのだが…」と続けると、千原ジュニアが「投票権5000円どうぞ」と皮肉った。
「簡単に言うと、そういうバラマキですよね」と苦笑いを浮かべた青山氏は「困っているのはお年寄りだけではない。お年寄りにも全員に配るとなると、物凄い資産を持っているお年寄りにも…。まぁ、愚策ですよ。それで批判が高まったので白紙に戻すということだが、この発言の裏には自民党内の深い亀裂の問題がある」と補足。次のように詳細を解説した。
青山氏いわく、その亀裂というのは「茂木幹事長vs高市政調会長」だ。「この亀裂は決定的になっている。高市さんは政策の責任者。政策を決めるには本来であれば高市さんをかませないといけないのに、茂木さんは高市さんを全く評価していない。完全に外している。ガソリン代の値下げに関しても外している。怒った高市さんは岸田さんのところに文句を言いに行ったりもしているが、結局、茂木さんは（高市政調会長を）買っていない。この対立は先鋭化していっていて『白紙に』という高市さんの記者会見になった。茂木さん憎しでああいう発言になった。この対立関係はそのうち大噴火すると思う」と私見を述べた。
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