「どうしてNISAやiDeCoには触れず、“老後2000万円”しか報じないのか」高校で本格スタートの金融教育、本当に知識が必要なのは大人たち?
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 新学習指導要領の下、高校の家庭科では“金融教育”が本格スタートする。今月から成人年齢が引き下げとなり、18歳になればクレジットカードを持ったり、ローンを組んだりすることも可能になる中、お金にまつわるトラブルを避けるためにも、金融リテラシーの向上が求められている。とはいえ、教える側の大人に知識があるかと言えば、それもまた心もとないのが現状だ。

■「大人もプライドを捨て、子どもと一緒に学んでいくことが必要だ」

「どうしてNISAやiDeCoには触れず、“老後2000万円”しか報じないのか」高校で本格スタートの金融教育、本当に知識が必要なのは大人たち?

 書籍やYouTubeを通じ、お金に関する知識をわかりやすく解説している税理士の大河内薫氏は「やはり、“お金は学ぶもの“という意識づけだ。お金は“生きるための便利なツール”だと思う。しかしお金には“取扱説明書”がない。ただ稼いで使うだけじゃない。守ることも必要だ。あるいは使い方によって結果は異なるし、預ければ増えるかもしれない。学校教育で学んだものは往々にして記憶に残らないので、やっても意味がないという意見もあるが、日本人はお金のことを学んでこなかった」と指摘する。

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 「世の中に“一発逆転”はないが、それでも少し勉強すれば逆転の可能性があるのはお金だ。学べば確実に生きる力になるということを、大人たちは全然知らないということを若い方々には知ってほしい。ぼったくりみたいなものも多い中、“生きる力”として、大人もプライドを捨て、子どもと一緒に学んでいくことが必要だ。

「どうしてNISAやiDeCoには触れず、“老後2000万円”しか報じないのか」高校で本格スタートの金融教育、本当に知識が必要なのは大人たち?

 だから本来であれば義務教育の段階から始めるべきだと思うが、高校の学習指導要領が変わっただけでも影響は出てくると思うし、いい流れが出てきていると思う。ただ、“金融教育”という言葉が一人歩きしている面があって、それよりも家計管理や良い借金・悪い借金の話が重要なので、それらをより手厚く教えた方がいいと思う。

「どうしてNISAやiDeCoには触れず、“老後2000万円”しか報じないのか」高校で本格スタートの金融教育、本当に知識が必要なのは大人たち?

 そもそも年金など、国の社会保障について、ほとんどの人がちゃんと理解していない。だから民間の保険に入りすぎてしまい、手元に残るはずだったお金さえ無くなった、ということになる。そういうところを潰していけば、手元の資金は多少増えるはず。それを投資に充てていくというライフスタイル、ライフプランを教えて行かなければならない。その意味でも、“金融”の部分が走っていかないよう、“お金の教育”と呼んだ方がいい」。

■「どうしてメディアは“2000万円”しか報道しなかったのか」

「どうしてNISAやiDeCoには触れず、“老後2000万円”しか報じないのか」高校で本格スタートの金融教育、本当に知識が必要なのは大人たち?

 そんな大河内氏が問題視してきたのが、デモにまで発展した金融庁の試算、いわゆる“老後2000万円問題”をめぐる報道だ。

 「人はいつ死ぬのか分からない。一方で、平均年齢が上がっているので意外と長生きする可能性がある。だからこそ、老後にどれくらい使うのか、そしてどのくらいもらえるのかをちゃんと把握しなければならない。そして年金だけでは足らない、だからちゃんと積み立てていく、という前提で動かないといけない。“2000万円”という数字が独り歩きしてしまったが、報告書の中には『つみたてNISA』(少額投資非課税制度)も『iDeCo)』(個人型確定拠出年金もある、と書いてあった。どうしてそこを報道しなかったのか」(大河内氏)。

「どうしてNISAやiDeCoには触れず、“老後2000万円”しか報じないのか」高校で本格スタートの金融教育、本当に知識が必要なのは大人たち?

 カードローンの返済のために働くほどお金に苦労した経験があるというジャーナリストの堀氏も「あの金融庁の報告書の肝は、金融教育をしましょう、若いうちから投資というものを根付かせましょうという話だった。しかしメディアは“年金制度が破綻するのか。国は責任をどうするのか”という扱い方をしてしまった」とコメント。「僕も全く知識が無かったし、今でも宝くじを買うぐらいだが(笑)、不安も大きい。ここ数年、NISAなど、誰でも少額で投資が始められる制度が始まっているから、教え合うような雰囲気が出てくればいい」と話した。

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 学生時代に株式投資で100万円の損失を出したというリディラバ代表の安部敏樹氏は「早く教えてほしかったという気持ちでいっぱいだ(笑)。そして、今の日本には起業を勧める雰囲気があるし、フリーランス、個人事業主もまだまだ増えると思う。そうなると、家計の管理や借り入れの知識は必須になってくる。また、アメリカでは国民の6〜7割が金融資産を持っていると言われていて、だからこそ金融緩和政策が中間層の支援にもなる。しかし日本の場合、持っている人が少ないので、結果的に富裕層への支援になってしまいがちだ」と指摘した。

■EXIT兼近も投資信託「社会問題にお金が使われるなら」

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 一方、EXITの兼近は「祖父母も貧困家庭で、父母も1円も貯金がない中で僕は生まれ育った。僕自身も日雇いで働いていた時期がある。しかもお金のことは『ミナミの帝王』で学んだくらいで、分からないことの方が多い(笑)。だから基本的には人任せだけれど、投資信託はやっている。ここに投資すると社会問題にお金が使われると聞くと、そこを選ぶようなやりかただ」とコメント。

「どうしてNISAやiDeCoには触れず、“老後2000万円”しか報じないのか」高校で本格スタートの金融教育、本当に知識が必要なのは大人たち?

 NO YOUTH NO JAPAN代表理事の能條子氏も「高校や大学の友達と久しぶりに話すと『つみたてNISA』の口座を作ったという話題が出てくる。それで私も焦って始めた。気候変動に関心があるのでグリーンファイナンスに投資するというのは社会参画にもつながるという思いでやっている」と話した。

「どうしてNISAやiDeCoには触れず、“老後2000万円”しか報じないのか」高校で本格スタートの金融教育、本当に知識が必要なのは大人たち?

 大河内氏は「素晴らしいと思う。友達との会話で出てくるというのは感動的だ。書店に行くとお金の本のコーナーが増えているし、ベストセラーとなっているものを一冊読むだけでも、人生が変わると思う」と話していた。(『ABEMA Prime』より)

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