「動物遺棄は犯罪という意識を」日比谷公園 60匹以上の“地域猫”がゼロに…20年に及ぶ活動
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 日比谷公園(東京都千代田区)の“地域猫ゼロ”を目標に活動を続けてきた団体が、今年その目標を達成させた。20年に及ぶ取り組みを続けた団体に飼い主のいない猫の実情を取材した。

【映像】今年1月に保護されたチビ

 千代田区民と在勤者を中心とするボランティアグループ『ちよだニャンとなる会』は、日比谷公園で今年1月に保護したチビ(推定12歳のオス猫)の新たな飼い主を見つけるため、面倒を見てきた。

 事業が始まった2年後(2002年)、日比谷公園に近い省庁で勤務する人からの連絡を受けたニャンとなる会代表の香取章子さん。夜中に様子を見に行くと、そこには猫にエサをあげる人の姿が見受けられ、当時の日比谷公園には60〜80匹程度の猫がいたという。

 状況改善に乗り出した同会は猫を捕獲し、繁殖を防ぐための去勢・不妊手術をして、元居た場所に戻したり里親を探したりする活動などを地道に続けてきた。こうした取り組みを経て、香取さんは公園に猫がいることの問題点を次のように述べた。

「たくさんの人が猫を見て癒されるとか、写真を撮ってSNSに投稿したりとか、そういう人がいて猫が愛されていることは良いです。だけど、実はその猫の健康状態は良好だったか、1週間後に無事に生きているのか、そして1年後にまたその猫はいるのかというのを考えて欲しいと思います」

「動物遺棄は犯罪という意識を」日比谷公園 60匹以上の“地域猫”がゼロに…20年に及ぶ活動
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 人懐っこく、時には人々の癒しになる野良猫。しかし、飼い主のいない猫は、その姿からは想像できない悲惨な暮らしが待っているという。

「猫は戸外で雨、風、台風、雪、猛暑の中にさらされる動物ではないし、そんな毛皮を持っていないです。猫というのは睡眠時間は大体15時間くらいはとりたい動物ですが、外で暮らす猫は安眠できず、それが短命に繋がっています。安眠できない、車にはねられる、ウイルス感染症はじめ病気を発症することが多いです。外の猫はちっとも幸せとは言えず、動物福祉・愛護に反する状態で仕方なく不妊・去勢手術をして、いわゆる地域猫(の保護活動)が全国各地行われている現状です」

 たとえ善意で餌を与えても、決して猫が幸せになるわけではない現実。そんな状況に置かれる猫をゼロにするため、ニャンとなる会は行政と協力し20年もの間、活動を続けてきた。そしてついに、最後の地域猫チビが保護され、日比谷公園の地域猫はゼロとなった。

 ただ、ペットとして飼っていた猫を捨てる人が出てきてしまえば、これまでのボランティアの活動が無になってしまう可能性もある。「日比谷公園の地域猫ゼロ」に達成感を抱きつつも香取さんはこう訴える。

「去年の6月に施行された改正動物愛護管理法で、動物遺棄は犯罪となります。懲役1年以下、または100万円以下の罰金と定められていますので、動物を遺棄する人は犯罪を犯すという意識を持って欲しいですし、本当に現れたら『大変なことになりますよ』とお伝えしたいと思います」(『ABEMAヒルズ』より)

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