都の新築“太陽光パネル”義務化検討へ…課題は? ひろゆき氏「また無駄なことを」
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 去年12月、都議会本会議で「新築建造物への太陽光発電設備等の設置を標準化して“ゼロ・エミッション東京”の実現を目指す」と述べた小池都知事。

【映像】見渡す限りびっしりと…山の斜面に並べられた太陽光パネル(2:37ごろ)

 東京都は2050年のCO2排出実質ゼロを目指す一環として、新築物件への太陽光パネル設置義務化を検討している。延床面積2000平方メートル未満のマンションや戸建てなどを対象に、事業者単位で目標達成を求める方針で、今年度中の新設を目指すという。

 ニュース番組「ABEMA Prime」では、太陽光発電の可能性と課題について専門家と共に議論を行った。

■ 東京の新築住宅“太陽光パネル”義務化? 効果と課題は

 電力システム工学が専門で、経産省の委員会にも参加している東京理科大学工学部准教授の山口順之氏は「私は住宅専門ではないが、2050年のカーボンニュートラルに向けて、東京都はやれることを全部やりたいのだろう」と話す。

 一方で、ネット掲示板『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏は「また小池都知事は無駄なことやっているなと思う」と発言。

「太陽光発電をやりたいにしろ、日本で一番地価の高い東京で、しかも東京は新築で建てても横にマンションがあったりして陰になったり、日照量が少ないと思う。新築で太陽光発電をやりたい人は、例えば群馬県とか、もっと土地が安くて日照量が多い場所に太陽光発電を作って、そこの電力を東京で買うみたいにすればいいだけだ」

都の新築“太陽光パネル”義務化検討へ…課題は? ひろゆき氏「また無駄なことを」

 太陽光発電における課題の1つが出力制御だ。電力は基本的に貯めておくことができず、使用量に合わせて発電量を調整しなくてはならない。

 経済産業省の官僚時代にメガソーラー事業に携わり、今でも運用に関わっているという制度アナリストの宇佐美典也氏は「新築住宅に太陽光パネルを置くこと自体は、主たる目的がカーボンニュートラルではないと思う。足される電力が微々たるものだからだ」と指摘。その上で「それよりも事故が起きたときに、ある程度太陽光で発電できることなどを主眼においた制度だったら納得がいく。東京都の住宅に太陽光パネルを置いたところで、経済的には全然ペイしない。そういうお金の使い方はしてほしくない」と訴えた。

都の新築“太陽光パネル”義務化検討へ…課題は? ひろゆき氏「また無駄なことを」

 3月16日には、福島県沖で発生した地震の影響で火力発電所が停止。悪天候によって太陽光発電量も不足し、東京電力管内などで初めて「電力需給ひっ迫警報」が発令される事態になった。

 都内でも一部地域が停電した状況に、ひろゆき氏は「停電は夜だった。太陽光パネルがいくらあっても夜だと意味がないのではないか」と質問。宇佐美氏は「全体の需給緩和には役に立たない。例えば、停電が本当に起きた次の日、電力が復旧しなくてどうするか。そういうときに少し電気が使えて役立つ。北海道の苫東厚真火力発電所が緊急停止したときは、そういった使い方がされた」と答えた。

都の新築“太陽光パネル”義務化検討へ…課題は? ひろゆき氏「また無駄なことを」
都の新築“太陽光パネル”義務化検討へ…課題は? ひろゆき氏「また無駄なことを」

 実際、太陽光パネル設置の義務化によって、住宅価格はどのようになっていくのか。山口氏は「その分の価格は消費者に上乗せされると思う。義務化はメーカーにとって無茶なことだ。そのまま苦しむか、中には新しい施工技術を開発するメーカーや、調達技術で圧倒的に勝つ企業が出てくる可能性もあるので、それは期待したい」と述べる。

 また、個人が太陽光パネルを持つメリットについて、山口氏は「電力単価は、安いところはすごく安いが、中には高いところもある。見極めをしてトップランナーでいけば、もっと収益率は上がると思う」とコメント。その上で、経済的視点から「太陽光パネルが必要になる世の中は、化石燃料が高くなってCO2の単価も高くなる。太陽光パネルを付けなかったら結局、他のエネルギーを買ってくることになるので、相当な負担になる。エネルギー問題は量が大切で、世の中全体で低炭素化したいならば、世の中全体で負担していかなくてはならない。ずる賢い人ではなく、本当に賢い人が勝ってほしい。それが私の願いだ」と語った。

都の新築“太陽光パネル”義務化検討へ…課題は? ひろゆき氏「また無駄なことを」

 太陽光パネルの設置後は定期的なメンテナンスも必要になる。山口氏は「せっかく付けたのに壊れてしまうこともある。そういうリスクテイクを個人で行うのは難しい。『ちゃんと設置したい』と考える人にはその分、故障時にある程度の修理費をもらえるなど、リスクを少し緩和させるような政策を取ってもらえると付けようかなと思えるはずだ」と意見を述べる。

 これには、宇佐美氏も「山口先生のおっしゃる通り。設置に補助金を付けると、補助金を付けている間に施工メーカーが現れて、制度が終わると施工メーカーもやめていく。そうすると『誰がメンテナンスするのか?』という話になる。特に住宅に関しては生活がかかっている。むしろ行政はメンテナンスを支える仕組み作りが必要だ」と同意。一方で「こういう取り組みは、利益を取ろうとする業者が必ず現れる。制度を作ったときに、予想されなかったような形で利益を上げる人たちが出てくる。山口先生がおっしゃる通り、賢い人が損しない仕組みが重要だ」と語った。

 一連の議論に、株式会社Culmony代表の岩澤直美氏は「選択肢がないのが問題だ」と指摘。「これから作られていく新築全部に太陽光パネルが義務化されるなら、私が新築を買いたいと思ったときに、付いているものしかないことになる。そうすると、中古しか買えない人が出てくる。選択肢があるならいいが、選べない状況は選択肢が狭まれて嫌だなと思う」と懸念を示した。(「ABEMA Prime」より)

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