20kg減量後もリバウンド…“美の基準”に苦しんだ漫画作者「基準はみんな違うと気付いて」
【映像】“ボディポジティブ”に救われた漫画
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「『美しさの基準』も『自分で自分のことを好きと思える体』も本当なら100人いれば100通りあるはずで、『ボディポジティブ』とはきっとそれを型に押し込まずに、バリエーション豊かに、もっと自由で多様であっていいんじゃないかと思うこと」

 どんな体型でも自分らしく、ありのままを受け入れる“ボディポジティブ”について描かれた本が話題を集めている。

【映像】“ボディポジティブ”に救われた漫画

 去年6月に発売された『自分サイズでいこう 私なりのボディポジティブ』(出版:KADOKAWA)は、作者・haraさんの実体験を描いた漫画だ。

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男「原―ッ。リボン上で結びすぎだぞ」
女「す…すみませ〜ん。(風紀を乱したいんじゃなくて、人並みサイズのリボンがほしいだけなのにな~…まあ私が痩せればいいのか…)」

 主人公のharaさんは、幼いころから大きな体がコンプレックス。制服がきれいに着こなせなかったり、オシャレをして道を歩くだけで笑われている気がしたりするなど、つらい日々を過ごす中でいつしか彼女は“痩せたスタイルほど美しい”という価値観に囚われるようになっていく。

 極端なダイエットにより半年で20kg減量するも、その反動で過食に陥りリバウンド。さらに10kg増えるなど、痩せていることこそが美しいという“美の基準”は、彼女の心だけでなく、体もむしばんでいく。

 物語の主人公であり作者のharaさんは、当時を振り返りこう話す。

「小さいころから体が大きくて背も高く、太っていた。それで結構からかわれたり、いじられキャラだったりすることが多かった。当時は摂食障害に対して病気だという理解もなかったし、ダイエットは“意思が強ければできるはず”という思い込みもあった。そのせいで、『何でこんな頑張れないんだろう』『こんなに頑張れない自分はダメなんじゃないか』という自己嫌悪のループに陥っていて、抜け出せないのではないかと苦しかった」

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 そんなある日、haraさんが目にしたのは、自身と同じような体型ながらも活躍する「プラスサイズモデル」の存在と、自分のありのままの体を愛する「ボディポジティブ」という言葉。“痩せていることが美しい”という固定概念に囚われていたharaさんだったが、この言葉に出会ったことで自分らしさを見つめ直し、徐々に自分の体を受け入れられるように。食事に対する抵抗感も無くなり、オシャレにもチャレンジするようになった。

「『太っている子はオシャレしたり、人前で堂々としたりしてはいけないんだ』という思い込みがパッとなくなった。『自分はこれでいいんじゃないか』と、少し自信が持てるようになった」

 “美の基準”は人それぞれ――。かつての自分と同じように悩みを持つ人たちへ届けたいと思い、この本を執筆したharaさんは「自分自身を見つめ直すきっかけになれたら」と期待を寄せている。

「自分の体や体型、見た目を好きになってもいいのではないかという1つの提案として描かせていただいている。街中を見渡しても、いろいろな体型・年齢の人がそれぞれの体を持って、それぞれの人生を生きている。みんなが違う基準で服を着て歩いていることに気付けると思う。かわいい・きれいの基準は1つじゃないかもしれない。自分の中の基準を見つめ直してみたら、(苦しさから)抜け出すきっかけになると思う」

(『ABEMAヒルズ』より)

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