国内4例目、“後発”ノババックスワクチンのインセンティブはどこに? 接種可能な時期は
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 厚生労働省は19日、アメリカの製薬会社・ノババックス社が開発した新型コロナワクチンを承認した。承認は国内で4例目となる。

【映像】「ノババックス」注目は少ない副反応

 ファイザーやモデルナなど、これまでとは作用の仕組みが異なるノババックスのワクチン。その内容について、テレビ朝日社会部・厚労省担当の岩本京子記者が解説する。

Q.ノババックスのワクチンはどういうもの?
 アメリカの製薬会社ノババックス社が開発し、日本では武田薬品工業が国内で生産することになる。臨床試験では発症予防効果が約90%確認された。今回の承認内容は、18歳以上が対象で、3週間間隔をあけて2回接種、追加接種にも6カ月経てば使うことができる。ファイザーやモデルナとの交互接種は、今後厚労省の分科会で認められれば可能となる。

Q.ファイザーやモデルナとの違いは? 
 ファイザーとモデルナは「mRNA」という同じカテゴライズのワクチンだが、ノババックスは「組み換えたんぱくワクチン」と言われる。mRNAは遺伝子情報を送って、抗体を作るためのたんぱく質を体内で生成する。組み換えたんぱくワクチンは昆虫の細胞を使って、特定のたんぱく質を作った上で送るので、ワクチンの作用する仕組みが異なる。組み換えたんぱくワクチンは、過去にもインフルエンザやB型肝炎のワクチンにも使われていて、実績がある。一方、mRNAは新型コロナに対して初めて作られたという点でも異なる。

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 ノババックスのワクチンは副反応が少ないとされている。臨床試験では、アストラゼネカのワクチンで言われていた心筋炎や、ファイザーやモデルナを接種した後の発熱・倦怠感というものが、ノババックスについてはワクチンと関連があるとされる症状はなかったと報告されている。多少の倦怠感や接種部位の疼痛はあるようだが、いずれも軽度で回復するとされている。なので、mRNAでアレルギー反応があったり、高熱が出て3回目を控えていた人の接種につながる期待はある。今後、厚労省の分科会で臨時接種に位置付けられれば、これまでのワクチンと同じように公費で接種できるようになる見通しだ。

Q.ノババックスのワクチンにデメリットはある?
 デメリットとというわけではないが、臨床試験のデータというのが2020年の終わりから2021年の頭にかけてのものになっている。つまり、オミクロン株が流行する前のもので、このワクチンがどの程度対応しているのか未知数な部分がある。ノババックス社は今、オミクロン株に対応したワクチンを開発中だが、厚労省はそれでも「一定の中和抗体は得られる」との見解を示している。

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Q.ノババックスのワクチンが接種できる時期は?
 政府は承認前から1億5000万回分の供給を受ける契約を結んでいる。厚労省は5月下旬から、まず自治体に10万回分の配送を始める。早い地域では、おそらく5月下旬から接種が可能になるとみられる。

Q.アストラゼネカのように国内で使われなくなるような可能性は?
 ワクチン接種の1、2回目はほとんどの方がファイザー、モデルナを打っている。さらに、3回目接種が済んでいる人もいるので、ノババックスもどこまで浸透するか。副反応が少ないということで、「ノババックスなら打とうかな」という人はいると思う。

 ワクチン承認は、ファイザーとモデルナが圧倒的に早かった。後発でワクチンを出すにはそれなりのインセンティブが必要になると思うが、ノババックスでいうと副反応が少ないということではないか。そこが後発であっても選択肢として検討できる部分だと思う。

ABEMA/『アベマ倍速ニュース』より)
 

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