2021年の年末、eggのギャルモデル軍団とイェール大学助教授・成田悠輔氏とのトークで飛び出した「成田は1回渋谷に出ろ」発言。
あれから数カ月、「愛とハピネスを学びたい」と成田氏たっての希望とあり、ニュース番組『ABEMAヒルズ』は、渋谷にあるegg編集部にアポを取り、キャスターの徳永有美と成田氏で訪問。ギャルのマインドを存分に研究していただこうという企画だ。
eggの編集部に着いた成田氏を迎えたのは、3月までeggの編集長を務めた赤荻瞳さんだった。
「弊社でeggのほかに姉ギャル媒体のnutsとI LOVE mamaという媒体もやっていて、編集部になります」
まず成田氏が気になったのが、ギャルの歴史。1995年創刊のeggのバックナンバーを食い入るように見つめていた。
成田「90年代感漂ってますねー」
徳永「成田さんこの時代何してました?90年代後半」
成田「小学生か中学生で家に引きこもってせんべいたべてました。僕も遠くから眺めてる感じでした」
徳永「存在は知ってました?」
成田「存在はかすかに知っていて、本屋でeggとか立ち読みしていた記憶あります」
少年時代、実はギャルのことが気になっていたという成田氏。創刊当初はグラビアが多かったeggも、コギャル、ガングロ、ヤマンバなど、様々なスタイルを生み出し時代の最先端を行くギャルたちを、追いかけるようになると、瞬く間に“渋谷系ギャルのバイブル”に。
そんなeggだが、この数年でスタイルを表現する方法も大きく変わっているようだ。
赤荻「当時はSNSが普及していなかったので、渋谷に来てイケてる姿を見せに来ているというか。あとは、雑誌に載ることがステータスで。今はSNSのフォロワーとかだと思いますが」
同世代の若者の視線を浴びる舞台は、渋谷の街中からインターネットに。この日も、前回番組に出てくれたeggモデル、みりちゃむさんとえりぴさんがYouTubeの撮影をしていた。
徳永「年末から何か変化はありましたか?」
えり「より一層超ハッピー人間になりました。マインドが超ハッピーすぎて嫌なことガチないのです。最近。超ハッピー人間になりました」
成田氏が不思議に思うほど前向きなギャルたちと向き合うことで、ネガティブになりがちな大人との差が浮き彫りになっていった。
成田「徳永さんと僕のよくないところは、仕事仲間の悪口を陰で言い合っている」
徳永「一緒にしないで……全然言ってない(笑)。でも言いたくなる時はどうするんですか?」
みりちゃむ「本人に直接言っちゃいますね、『ここどうなの?』って」
成田「素直なおじさん、素直なおばさんってあんまりいないですよね。我慢することが大人になることだっていう思い込みはあるような気はしますよね」
みり「戦争もそうじゃないですか。遠回しに色々やっちゃってるから本人に直接言えば、こんなに大事にならないのになってすごい思うから」
成田「プーチンギャル化計画…」
ギャルのようにポジティブなマインドで話せば、誰もが分かり合えるのではないか。今回の取材中も、誰とでもすぐに仲良くなれるギャルの特徴を、成田氏は目の当たりにしていた。
そんなマインドを世界に発信したいという赤荻さんは、今年3月で退任、新たな舞台に進むという。「能天気」と一言では片づけられない可能性を秘めたギャルのマインドを、どう社会に生かせるのか、3人で語り合った。
赤荻「まだ発表できませんが、今編集長やらせてもらってギャルの存在とか、マインドを日本中の若い子たちには結構広められたんではないかなと思ってて。日本だけではなく、グローバルに世界に伝えていきたいなという1個目標があって近々発表しようかなと思ってます」
徳永「ただ、そのハッピーなマインド、どうやってハッピーではない人とか、なんか凝り固まった人たちに伝えて変えていくのかっていうのがすごく難しいところなのわけですよね。
成田「だから、ハッピーな人がいるということが人目に付くようにして行くっていうことなんじゃないかな」
徳永「だけど渋谷来てそういうあのギャルたちとか幸せそうな若者たち見て、大人は横目に見ていそいそと歩くわけじゃないですか。そんな心に響いてないですよね」
元気な若者の姿を見て「住む世界が違う」と遠ざかる大人たち。それでもどこか気になる“ギャル”という存在の可能性を成田氏は感じたようだ。
成田「ギャル新党みたいなのを作るのがいいのではないか。ギャル数百人が衆議院選挙とかに出て、今の不甲斐無い野党を蹴散らして急に野党第一党目指すみたいな。本当にいろんな方からいろんなものを組み合わせないと、政治の世界とかって動かせないではないですか。そういうものを動かすDNAとか。いろんなパーツを組み合わせる“のり”みたいな存在は、ギャルみたいな人すごく向いてそうだなと」
赤萩さんの生き方を見た成田氏は彼女の「とらわれない力」にこう言及する。
「とらわれない力がすごく大事だと思った。無駄な悩みごとや世間体、ビジネスにとらわれて惑わされない力の代表がギャルマインドであるように感じた」
(『ABEMAヒルズ』より)
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