3年半にわたって一時休園していた都内唯一の区営遊園地「あらかわ遊園」が21日、リニューアルオープンした。約30年ぶり大規模改修で、地域に愛された昔ながらの遊園地はどう変わったのか。
その中でも、昔懐かしい東京都電車(都電)の関連品や、地域の歴史を楽しむことができる資料館の魅力について、テレビ朝日きっての鉄道ファン、荒木基氏が現地から伝える。
■「一球さん号」
「一球さん号(カフェ193)」は、都電6000形車両の最後の1台が50年間の現役を終えた後、2002年4月に荒川区に譲渡され、あらかわ遊園に設置されたもの。今回のリニューアルオープン後に、「カフェ193」に生まれ変わった。
荒木氏:実際に使われていた車両がそのまま置いてあります。「一球さん号」と言われていた理由は、この前を照らすヘッドライト。この車両は昭和20年代に作られた古い車両で、丸いヘッドライトが1個付いています。これが「一つ」の「球」ということで、「一球さん号」と呼ばれているわけです。都電の中でも一番多く使われていたのが、この6000形という車両なんですね。
中は当時の車両のままでカフェにしていて、これいいでしょ? つり革と思いきやパンなんです。「たべられるつりわです」ということで販売されています。
ここにはグッズもあって。手ぬぐいなんですけども、路線図になっているんです。昔、東京中を路面電車が走っていたわけなんですが、テレビ朝日のある六本木は「木本六」と右から読むかたちですね。すごく雰囲気の良いカフェになっています。
ここの良いところは、だいたい公園などに置いてあるものは塗装が剥げてしまったりして傷んでしまうんですが、きっちりと車両を保存してあるんです。
■「下町都電ミニ資料館」
ふれあいハウス内1階にある「下町都電ミニ資料館」は、鉄道模型を趣味とする人の集まり「のぞみ会」会長の故・伊藤信男さんが製作した都電模型や、東京都交通局から提供された都電関連品が常設展示された場所。ジオラマの中を走る鉄道模型を運転することができる。
荒木氏:当時都電が走っていた「昭和の街」を再現した模型があります。下には、当時の都電のグッズが並んでいるんです。車掌さんが持っていた、おつりや切符を入れていた鞄や、乗車券用のパンチが並んでいます。
奥に行くと、鉄道模型のジオラマがあります。家ではなかなかできない長い車両を走らせることができます。16両フル編成で新幹線の模型を持っていますけど、これは家では走らせられませんからね。ここも今回リニューアルされたそうです。
すごいのは、線路脇の車のライトがきちんと付いていたり、コンビニの前にはちょっと悪そうな人が集まってたり、うまく再現できている点です。非常によくできていますね。ジオラマは実際に運転もできます。
ジオラマは日曜日だけの開放ですが、資料館は毎日開いているということで、おすすめしたいのが「のぞみ会」の方々の模型コレクション。注目したいのは、都電荒川線の歴代の車両で、これは全部手作りなんです。7000形の車体のカーブは木を削り出して作っているんです。中の座席だとか、運転席だとか、一つひとつ車両の違いが表現されています。
その内の1両をお借りして、特別に出していただきました。9000形なんですが、車体部分は全部木を削って作られています。そして、屋根の部分が開くんですが、「こういう仕組みで作っている」というのがよくわかるようになっていて、模型好きの方にはたまらないと思います。外側は方眼紙に色を塗って、つり革は針金でできています。ワイパーはヘアピンです。
このような模型を、会長さんは荒川線沿線の小学校や全国の鉄道などに50両近く贈っていて、そこでも展示されているそうです。
(ABEMA NEWSより)
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