「日銀の保有するETFを国民に配る。それが“新しい資本主義”ではないか」竹中平蔵氏&橋下氏が経済活性化の大胆提言
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4月30日のABEMANewsBAR橋下』に出演した竹中平蔵氏と橋下徹氏が、日本経済の活性化、そして岸田総理が掲げる「新しい資本主義」について語り合った。

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「日銀の保有するETFを国民に配る。それが“新しい資本主義”ではないか」竹中平蔵氏&橋下氏が経済活性化の大胆提言

竹中:今、ものすごく大きな変化が起きようとしている。アメリカやイギリスでは徹底した新自由主義のもと、所得格差が広がった。一方で中国が国家の主導であそこまで大きくなった。コロナもあったし、国の力をもう少し高めよう、経済安全保障も必要だ、というムードだ。日本においても危機のガバナンスの仕組みは必要だが、それに悪乗りして全て国内で作らなきゃダメだ、みたいな運動が安易に広がっているのは危ない。

橋下:中国は一党独裁なので、行き過ぎると潰しにかかってくる側面はあるが、市場そのものは日本よりも極めて自由でアグレッシブだと思う。よく“日本は資本主義が行き過ぎた、格差が広がった。正せ”って批判する人がいるけれど、30年前から賃金も株価も伸びていないし、むしろ資本主義のメカニズムが回ってないのが実態だと思う。

竹中:その通りだ。アメリカやイギリスでは、“ゆりかごから墓場まで”の福祉国家を目指したことで活力が失われたということで、レーガン、サッチャーが出てきて、市場を資本主義的に活用しようということになった。これは新自由主義といえば新自由主義だっただろう。ところが日本の中曽根さんが新自由主義かといえば、それは違う。そもそも日本は福祉国家を目指していたわけではないし、国鉄や電電公社などを民営化して途上国型から先進国型に移行するという、形の上でよく似たことをやっていただけだ。

橋下:竹中さんは“新自由主義者だ”ってよく言われるし(笑)、僕も市場のメカニズムをもっと回さないといけないと思っているから、“新自由主義者って呼ばれてもいいよ”と開き直っているが、最近では定義と関係なくレッテル貼りをして批判される。例えばロシア、ウクライナの戦争については、一般市民の犠牲をとにかく最小限にすべきだ、武器を持っていない一般市民はとにかく逃げるべきだと言うと、ある新聞に“これは新自由主義的な考え方だ”と書かれた。こんなところにまで新自由主義を持ってくるんだなとびっくりした(笑)。

竹中:(笑)。

橋下:それでも競争、切磋琢磨を原則に、株式市場でお金が回るようにしないと、経済が上手くいくはずがない。それなのに自民党をはじめ、どこの政党も、市場を活性化させようと言わない。新自由主義と言われるのを恐れているんだろう。

竹中:先ごろ日本経済研究センターが発表した、ちょっとショッキングな中期予測がある。すでに貿易赤字は恒常的になっているが、原油の値段が上がってガソリン車が売れなくなると、日本を強力に支えているのは自動車産業がいよいよ厳しくなり、恒常的なマイナス成長の国になるというものだ。

そして2030年、2035年ぐらいになると、中国のGDPがアメリカを超える可能性があるという。その頃の日本はといえば、高齢者人口は今の4分の1強くらいから3分の1になるという予測になっている。GDPが上がらないというだけでなく、先送りしてきた介護の問題は大丈夫なのか、といった問題が一気に吹き出してくる可能性がある。

■「金融教育を行いながら、ETFを配ってもいいと思う」

「日銀の保有するETFを国民に配る。それが“新しい資本主義”ではないか」竹中平蔵氏&橋下氏が経済活性化の大胆提言

橋下:企業が配当を出そうとすると、みんな“金持ち優遇だ”“従業員の給料に回せ”と言う。でも、配当を出さなかったら誰が投資をするのか。自社株買いについても、企業が市場に返したお金が新しい産業に回っていくことになる。つまりは株式市場を活性化するために絶対に必要なことだ。それがどうしても世間の批判に負けちゃって、制限の方向に行く。一部の株主が利益を得るからそういう批判が出るとすれば、幅広くみんなが株を持つような世の中になれば、株式配当も自社株買いもみんな応援すると思う。

竹中:私たちの年金基金の4分の1は株式に投資されているが、安倍内閣になってから株価が上がって配当が増えたことで、年金の資金も増えている。だから株=金持ち優遇というのは全く違うと思う。それから日銀がETFをたくさん持っているが、国が10万円給付をやる場合、私は日銀が持っているETFを買い取って国民に渡せばいいと思っている。そうすると企業に対するガバナンスも効くし、換金したい人は換金すればいい。

橋下氏:大賛成だ。困っている人には現金給付もありだが、ストックのような形で国民に渡せば、みんなが経済のことを考えるようになるし、株価が上がり、配当が出れば喜ぶし。問題なのは、ソ連崩壊時に当時のエリツィン大統領が国営企業の株のようなクーポンを国民に配ったときのようなことが起こること。大富豪、いわゆるオリガルヒに“ウォッカと交換してやる”と言われ、みんなが余り深く考えずにクーポンを渡しちゃった。その意味では、日本も本当に金融教育をきちんと行いながら、ETFを配ってもいいと思う。そういうことが“新しい資本主義”ではないか。

竹中:そうだ。そういう議論は国会議員も経済財政諮問会議もやっていない。そもそも普通の国の中央銀行はETFを持たず、国債を買う。そして私がやらないといけないと思っているのが、国税庁に払っている税金、年金機構に払っている保険料を一本化することだ。アメリカやイギリスでは歳入庁という組織があるし、日本もデジタル庁ができたんだから、デジタル歳入庁を作れば、お金のある人には年金を出さず、本当に必要な人に回す、ということもできるようになる。あるいは“税金ばっかり取られて何ももらっていない”という人に対して、“いや、そうではないですよね”と説明して、不安を鎮めることにもつながるだろう。

橋下:給付金のための所得確認の事務作業だけで900億円かかると問題になっていたが、デジタルだったら一瞬で必要な人に配れる。絶対やるべきだ。(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)

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