研究熱心な人々の集まりであるプロの将棋界。叡王戦五番勝負で3連勝し初防衛を果たした藤井聡太叡王(竜王、王位、王将、棋聖、19)も、序盤からの研究の深さには定評があり、もともと評価が高かった中盤・終盤力と合わせて、さらに強さが際立ち始めている。そんな中、初代竜王でもある島朗九段(59)が驚きの研究を紹介。自宅でダンゴムシを数百匹単位で育てているという事実に、周囲の棋士・女流棋士、ファンから次々と驚きの声が集まった。
島九段は竜王のタイトル経験者であるとともに羽生善治九段(51)、森内俊之九段(51)、佐藤康光九段(52)といった実力者が集って研鑽を積んだ研究会、通称「島研」でも知られている。また、豊富な知識と巧みなトークスキルの持ち主であり、中継番組やイベントでの大盤解説でも人気だ。5月25日に行われた叡王戦五番勝負の第3局でも、ABEMAの中継番組に出演。会場となった千葉県柏市の「柏の葉カンファレンスセンター」内から、両対局者の食べた昼食やおやつの食レポ、施設内外のあちこちで解説をする企画などでファンを楽しませていた。
衝撃の事実が明かされたのは、屋外の大盤で序盤を振り返った後だ。快晴の庭園を眺めた島九段は唐突に「こういうところに来るとダンゴムシを探したくなるんです」と切り出すと「言うのは恥ずかしいんですけど、ダンゴムシを飼っているんです。1つのカゴに多頭飼育で200から300匹飼っています。ダンゴムシはかわいいですよ。犬とか猫より手がかかりません。しゃべらないのでこちらが察しないといけませんが」と、子どもが公園や庭先で見つけるダンゴムシについて、熱心に語り続けた。これにはファンからも「ネタの宝庫」「育ててる!」とコメントが殺到した。
すると番組スタッフもこの事実に即座に反応してか、その後のコーナーを急遽「ダンゴムシ捜索」に変更。長谷部浩平四段(28)、中村桃子女流二段(34)とともに千葉県立柏の葉公園内を歩き回ると、手袋とコップを持って地面を観察。島九段は手慣れたものとばかりに次々に発見し、10分近くの間に12匹も捕獲していた。この様子に中村女流二段が「将棋連盟の部活でどうですか。ダンゴムシ部」と提案したものの、島九段は「おそらく誰も(希望者は)いないと思います」と、笑顔であっさり返していた。
「ダンゴムシを探すのは将棋で手を探すのと似ていますね。自分は将棋には(熱心さが)なかったんですが、こっちではもうひと頑張りできました」と自虐ネタで締め括った島九段だが、この勢いなら「ダンゴムシ研究家」として、もう一花咲かすこともある(?)。
(ABEMA/将棋チャンネルより)