「個撮」で性被害に遭うケースも…増え続ける“アイドル”、ファンに応えたいという気持ちが損をする構造も?
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 リアルでは「握手会」や「チェキ会」、コロナ禍で活動が制限される中にあってはオンライン配信への「投げ銭」など、多様化するアイドルの収益源。今、その一つとして注目を集めるのが、「撮影会」モデルだ。かつてはグラビアアイドルやモデルの卵たちを写真愛好家たちが撮影する定番イベントだったが、そこにアイドルの参入が始まっているというのだ。

【映像】「個別撮影会」の様子

■“パパ活”ではないかと指摘する声も

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 都内で行われた撮影会を覗いてみると、セットの違うブースに待機するアイドルの卵たちに向かってシャッターを切るカメラマンたちの姿が。しかし彼らは“カメラ好き”というよりも、被写体のファンなのだ。それでも中には「本体だけで60万くらい」と、プロ顔負けの機材で参加している猛者もいた。

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 また、こうした撮影会は運営会社や事務所が開催するもの以外に、「個別撮影会」(個撮)とよばれる形態のものも存在している。 普段は会社員として働くエリさんは、趣味のコスプレを撮影してくれる人を探し、2カ月ほど前から個撮を始めるようになった。「プロモーション的な面と、ちょっとお小遣い稼ぎになればいいという面があって始めた。コスプレはお金がかかる趣味なので」。

 個撮に同行させてもらうと、1人でやってきたまろろんさんが、水着になったエリさんを撮影していた。料金は1時間で3000円。リクエストがあれば観光地やデートスポットなど、ロケ場所も選べるという。「1時間分、2時間分と購入すると、その枠は他の人がいないので、ずっとお話や撮影できる。独占感、プライベート感がある」(まろろんさん)。

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 実績や経験の少ない個人でもSNSで簡単に希望者を募ることができ、すぐにお金が稼げる気軽さから、アイドルの卵だけでなく、学生の間でも急速に広まっているという個撮。一方で、エリさんが「仲良くしたい、お話ししたい、遊びたい、ということを目的にしていらっしゃる方もいて、“ちょっとこのあとご飯とか?”みたいに誘われることもある」と話す通り、いわゆる“パパ活”ではないかと指摘する声もあるのだ。

■「打ち合わせで無理やりキスされた」

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 それだけではない。一対一の空間の中では性被害に遭うリスクも必然的に高まる。「コンカフェよりも時給に換算すると高いので生活費を稼ぐという意味もあるが、遠方から来てくださる方もいるので、応援してくれるファンの気持ちに応えようという気持ちが大きい」と話すアイドルののんさんも、ファンの男性との個撮に臨んだ際、無理やりキスをされてしまったと明かす。

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 「応募してきた方とロケーションや服について打ち合わせしようと食事に行ったところ無理やりキスされた。先輩からは“そういうふうな人ではないよ”と言われていたので驚いた。拒絶してもやめてくれなかったのでその場から逃げて、“注意してほしい”とツイートしたところ、その方から“パパ活を強要された”と言いふらされてしまった。証拠が残っていないので、警察に相談することも出来なかった」。

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 『BlackDiamond』リーダーのあおちゃんぺは「私の場合、一対一は怖いので、運営会社が開催した撮影会で、現場でも絶対に二人きりにはならないようにしている。いくら相手がファンだからと言っても、危ないと感じる状況には絶対に持ち込まないようにしないといけないし、何か起きた場合は、もちろん相手が悪い。そうやって自分のことをもっと大切にしないといけないと思うし、どこまではOKでどこまではダメというのを明確に決めた方がいい。個撮をするにしても、料金を上げてでも女性スタッフを1人は雇うべきだ」とコメント。

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 その上で、「真面目にアイドル活動をやろうと思って入ってきても、周りに流されてパパ活を始めてしまい、おっさんに対して“アイドル”という肩書きをドヤって使い、お金を取っているだけの子もたくさんいる。もはや“アイドル”の在り方が変わっているのかなと思う」と困惑気味に話した。

■「ファンに応えたいという子が損してしまう構造も」

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 グラビアイドルとして数多くの撮影会に参加、自ら企画することもあるというライターの吉沢さりぃ氏は「アイドルといっても、まだメディアに出ていなかったり、DVDやCDも自主制作盤だったりするアイドルや、“自称アイドル”も大勢いる。なぜこんなにも“アイドル”が増えたかといえば、お金がない運営が女の子たちに“アイドルにしてあげるよ”と言って搾取しているからだ。そこに、撮影会をやっているだけだとしてもアイドルという肩書きがほしいという女の子が来てしまう」と話す。

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 「そしてアイドルが多い分、ファンの側が“推す人を選べる”という状況にもなっていて、“この子は1万5000円だけど、あの子は1万3000円でより過激な水着を着てくれる”など、変な付加価値で応援する人も増えてきている。そういうファンの取り合いの中で、のんさんのように優しい子、ファンに応えたいという子が損してしまう構造が生まれているということだ」と話す。

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 その上で、「私もファンと車に一緒に乗ってしまって、そのことで勘違いされたことがある。逆に、それで済んで良かったなと思う。やはり個撮の延長として行われていることはパパ活と変わりない。女の子がアイドルだと言っていて、男性がそのファンだと言っているからパパ活ではないというのは隠れ蓑だ」と警鐘を鳴らした。(『ABEMA Prime』より)

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