里見香奈女流四冠、女性初のプロ編入受験資格獲得に「大きな決断、新たに考えたい」
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  将棋の里見香奈女流四冠(女流王座、女流王位、女流王将、倉敷藤花、30)が5月27日、棋王戦コナミグループ杯予選で古森悠太五段(26)に勝利し、女性で初のタイトル戦本戦進出を決めた。この結果、直近の公式戦成績を10勝4敗としてプロ編入試験の受験資格を獲得。ダブルでの快挙となった。対局後に行われた記者会見では受験の意思を明言することはなかったが、「現実に資格を得たということで新たに考え直したい」と話した。会見の内容は以下の通り。

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――棋王戦本戦入りを決めた現在の気持ちを教えてください。

 今日の対局も含めて、ここまで勝てると思っていなかったので、また一つ多く対局できるということですごく嬉しいです。

――本戦への意気込みをお願いします。

 ずっと厳しい戦いではありますが、自分の力が出し切れるように引き続き頑張りたいたいなと思います。

――プロ編入試験の受験資格獲得の感想をお聞かせください。

 そういう勝率を挙げられたことに関しては素直に嬉しい気持ちがあります。それとは別に編入試験があるというという感じです。今まではあまり考えていなかったので、考えたいなと思います。

――強くなったという手ごたえは感じますか?

 強くなったと実感することはあまりないですが、棋王戦に関してはすごく苦しい将棋がありましたので、そういった局面でもあきらめずに指せたのが良かったのかなと思います。4時間という長い持ち時間ではありますが、体力的な面でも自分の力を発揮できるように戦えていたのかなと思います。

――編入試験への受験意思はいかがですか?

 あまり前向きではないですが、編入試験を受けるということは覚悟がいることですし、大きな決断になると思うので、受けるという気持ちは今のところはあまり考えていない状況です。ただ、現実に資格を得たということで新たに考え直したいなという気持ちです。

――編入試験については周りの方に相談されますか?

 状況によりますが、まずは自分の中で考えて周りの方にも意見を求めることもあるかもしれないです。まずは自分の気持ちが第一かなと思っています。

――この結果を出せた要因は何だと思いますか?何か研究方法や取り組みを変えたことなどはありますか?

 もともと女流棋戦は4時間という持ち時間は無かったので、体力面でスタミナが切れてしまうことがあって、将棋の体力面をなんとかしないといけないかなと感じていました。対局しながら考えていく中で何とか自信をもって戦える状況にもっていけたのかなと思います。すごく苦しい将棋もたくさんあったので、一概には順当に勝ち上がったとは言えないですが、あきらめずに、先を見るのではなく目の前の将棋に集中してしていたのが良かったと思います。あとは強い先生と指せるという喜びが別の感情としてあって、それが将棋が楽しいという気持ちに変わって良い結果に向いたのかなと思います。

――女性初、ということにプレッシャーを感じることはありましたか?

 注目していただけることに関してはすごく嬉しく思っています。受け取り側としてはあまり意識することなく自分の棋力を上げることを第一優先で考えているので、それが巡り巡って結果に表れたのが嬉しく思いますし、本当によかったなと思っています。

――体力強化のために取り組んだことはありますか?

 いろんな要素がありますが、日常的には健康に過ごすことと、対局中は集中力が切れたときに休憩をとって戦うなど、あまりパターン化ではなくその場その場で臨機応変に対応していました。

――持ち時間の使い方で工夫した部分はありましたか?

 4時間だからこういう風に使おうという感じではなく戦型によって要所要所を見極めて、という感じだったので、あまり持ち時間については意識していなかったです。飛ばすところは飛ばして要所でしっかり時間を使う、ということは意識していました。あとは将棋の内容的なところですが、自分の試したいものを自由に試すという、真剣勝負の中ですが自分の中で楽しい要素を取り入れて指すようにしていました。

――編入試験受験について、一番重要視する判断基準は何ですか?

 自分の気持ちです。自分の中でその気持ちが強くでてきらら、という感じです。周りの方にはたくさん応援していただいて声は届いていますが、自分の中で強い気持ちがでてきたら、というところです。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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