里見香奈女流四冠、女性初のタイトル戦本戦進出 プロ編入受験資格も獲得のW快挙
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 将棋の里見香奈女流四冠(女流王座、女流王位、女流王将、倉敷藤花、30)が5月27日、棋王戦コナミグループ杯予選で古森悠太五段(26)に99手で勝利し、本戦進出を決めた。女性でのタイトル戦本戦進出は初。さらに、直近の公式戦成績を10勝4敗としてプロ編入試験の受験資格を獲得した。

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 本局は、渡辺明棋王(名人、38)への挑戦者を決める本戦トーナメント進出をかけた予選決勝。里見女流四冠は1回戦からの出場で、浦野真彦八段(58)、順位戦B級1組の澤田真吾七段(30)、王位戦挑戦者決定戦に進出を決めている池永天志五段(29)、冨田誠也四段(26)と並み居る強豪に勝って決勝の舞台に上がった。古森五段とは2019年8月以来2度目の対戦で、前局では古森五段が勝利していた。本局では、振り駒で先手番となった里見女流四冠が中飛車、古森五段が三間飛車として、戦型は相振り飛車となった。里見女流四冠が積極的な姿勢でペースをつかむと、堂々たる指し回しで徐々にリードを拡大。終盤戦で一気に突き放して99手で古森五段に快勝した。

 この結果で、女性として史上初のタイトル戦の本戦進出が決定。終局後には、「苦しい将棋もあったが、その時々集中してあきらめずにさせたのが結果につながったのかなと思う。自分でもここまで勝てると思っていなかったので、実力以上のものが出たのかなと思う。またもう一局多く指せるということで、それがすごく嬉しい」と喜びをかみしめていた。

 さらにプロ編入試験を受けるのに必要な条件「最近の公式戦で10勝以上、かつ勝率6割5分以上」を満たし受験資格も獲得。将棋界における女流棋士は、プロ棋士とは別制度をとっており、現在までに棋士となった女性はいない。受験に関しては「すごく光栄なことではあるのかなと思っています。あまり考えていなかったので…。今日も勝てると思っていなかったので、少し考えたいかなと思います」と明言を避けたが、ダブル快挙で将棋界に新たな歴史を刻んだ。

 プロ編入試験の受験は本人の意思が優先される。現行制度で過去にプロ入りしたのは今泉健司五段(48)、折田翔吾四段(32)の2人。この日に明確な受験意思は示されなかったが、里見女流四冠が受験を決めた場合は、若手棋士5人が試験官となり五番勝負の関門が設けられる。この番勝負に3勝すると、史上初の「女性の棋士」が誕生することになる。

◆里見香奈(さとみ・かな) 1992年3月2日、島根県出雲市出身。森けい二九段門下。兄の影響で5歳から将棋をはじめ、小学5年生でアマ女王戦A級で優勝。2003年に女流育成会に入会し2004年10月に女流2級でプロ入りを果たした。2008年に初タイトル・倉敷藤花を獲得すると、2011年5月には奨励会への編入試験を受けて合格、奨励会1級となった。2018年、三段リーグを勝ち抜くことができず年齢制限で退会したが、その後も史上初の女流六冠、歴代最多のタイトル通算47期を達成した。異名は「出雲のイナヅマ」。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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