現在、Twitterで静かな話題となっている漫画「未経験から100話でキラキラWEBデザイナーを諦めるかけだしちゃん」。1人の女性が、未経験からWEBデザイナーを目指し奮闘するも断念してしまうという物語が描かれている。
物語は、派遣社員として働く主人公が、新型コロナの影響で収入が減ってしまうという場面からスタート。履歴書に書けるようなスキルが無かった、主人公が活路を見出したのがネット上でホームページなどを制作するWEBデザイナーだった。
「未経験でも稼げる」「自由に働ける」といった、あたかも”夢の職業”であるかのように書かれた広告に「自分にもできるかもしれない」と主人公はWEBデザイナーを志すようになる。
しかし、現実はそううまくはいかなかった。高額な会費を払ってスクールに通い始めるが、用意された課題をいくらこなしても、スキルが身につかず……。スクールの恩恵をほぼ受けることが出来ない。
いざ、仕事が受注できても、取引先との価格交渉に失敗し赤字を出してしまうということも。こうした失敗の積み重ねの末、とうとう、主人公はWEBデザイナーをあきらめることに。
作者の実体験が赤裸々に描かれたこの漫画にネットからは「自分と一緒だ」「人ごととは思えない」といった共感の声が相次いだ。
この漫画を描いた作者の「かけだしちゃん」さん。挫折を味わったという当時について、こう振り返る。
「WEB制作は、専門職を目指すにあたり、比較的初期投資の少ない方かと思います。とにかくハードルが低く見えます。スクール広告の影響はかなり強いです。半年でできる、1カ月でなれる、最近では2週間のものもあったような気がします。コロナの影響により更にオンラインが普及し、WEBデザイナーの需要が高まっているとうたっているところもあったような気がします」
インターネットの普及、そして新型コロナの感染拡大など、爆発的に増えているという、IT人材の需要。その一方では、この漫画のように、「稼げる」「自由に働ける」といったフレーズをうたい文句に未経験者を”カモ”にするような業者が潜むことも。
漫画を描くことで、当時の苦い経験を成仏できたというかけだしちゃんさん。これからWEB業界を目指す人たちに向け、こう呼びかける。
「そのスクールが教えてくれることが、実際に現場で通用するのかどうか。これは、スクール内だけにいるとわからないことだというのは、頭の隅に置いておいてほしいなと思っています」
(『ABEMAヒルズ』より)