「15歳でボクシングを始めて、32か33歳くらいで引退しました。プロになって10年くらい、チャンピオンにはなれず、応援してくれた方々に何の恩返しもできていなかったのですが、また、違った形で恩返しできたかなと。そういった意味で嬉しく思います」
義足のために日本でプロの夢を閉ざされた男が、フィリピンに渡ってプロボクサーを目指す姿を描いた映画「義足のボクサー」。(10日から全国公開)
【映像】「自分自身と彼を重ね合わせた」主演兼プロデューサーが明かす映画制作のきっかけ
主人公のモデルとなったのは、実在する義足のボクサー土山直純さん。「義足」であるために幼少時にやっていたサッカーでは試合に出られず、日本では自分の夢も認められない…。土山さんは、こうした数々の逆境を乗り越えフィリピンでプロボクサーになったという。
同映画で主演とプロデューサーを務めた尚玄さんは、映画を作ったきっかけについて「僕自身がちょっと日本人離れした顔をしているので、最初のうちは日本で役をつかむのが難しくて、30歳のときにニューヨークに渡って英語を勉強して、海外のいろんなところでオーディションを受けて役を勝ち取っていったという経緯があったので“自分自身と彼を重ね合わせた”っていうのが、映画にしたいと思ったきっかけでした」と、土山さんに自らの境遇を重ねたことを明かした。
約8年の年月をかけ、完成した今作。尚玄さんはボクサーを演じるため、撮影の1年前から本格的にトレーニングに励み、激しいアクションに挑戦した。ボクシングシーンについて、尚玄さんは「僕以外の対戦相手はみんなプロのファイターですから、いわゆるマスボクシングという本当のスパーではないけど、一応、本当に“フリースタイル”で戦いました。監督が強すぎなくてもいいから『とにかく当てて』ということだったので、臨場感がある撮影、画になったと思います。やっぱり怖かったです。どうなるかわからないし、緊迫感もありました」と話してくれた。(『ABEMA Morning』より)