刑務所から就職活動も 受刑者専用の求人誌で“負の連鎖”を変える 代表「働くことで更生でき、再犯が減る」
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 非行歴や犯罪歴がある人の社会復帰を支援する会社、株式会社ヒューマン・コメディの代表を務める三宅晶子さん。2018年3月、刑務所や少年院などに入所している人たちに向けた求人情報誌を『Chance!!(チャンス!!)』を創刊した。受刑者と就職先をつなぐ日本初の求人誌だ。

【映像】すべてふりがなが振られている求人誌「Chance!!」

「加害者支援をしているわけではなくて、家がない、仕事もない、当然再犯すると思うんですよね。やはり仕事をして、生き直しやり直し。更生出来るということは結果、再犯が無くなるということ 再犯が減るということにつながると思っています」(以下、三宅晶子さん)

 令和3年版犯罪白書によると、日本の再犯率は過去最悪の49.1%。受刑者の約2人に1人が再び罪を犯している。いざ刑期を終えて出所しても、そこに待ち受ける厳しい現状。三宅さんは、受刑者が施設にいながら就職活動ができるようにと考えた末、「求人誌」という形で支援することを思いついた。

「出所者の方から聞いていたのが、『ハローワークの求人票が食堂とかに貼ってあったけど、何が書いてあるのかあまりピンと来なくて気にしなかった』という声をもらってたんです」

 「Chance!!」は年4回発行。約3000部を全国の刑務所や少年院、保護観察所などに無料で配布している。会社のことを少しでもわかりやすく伝えたいという思いから、すべて「ふりがな」を振っている。会社は、採用条件などを細かく明記。

刑務所から就職活動も 受刑者専用の求人誌で“負の連鎖”を変える 代表「働くことで更生でき、再犯が減る」
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 しかし、そこには一般の求人誌では目にしない「覚せい剤(初犯は可)、性犯罪、窃盗(罪状も動機によっては考慮します)などの項目もあった。

 掲載されている会社への就職を希望する受刑者は、専用の履歴書を送付。事業主が面接に応じれば、ハローワークを通じて刑務所の中で面接を行う流れだ。

 「Chance!!」専用の履歴書には、懲役年数や犯罪歴、指詰めや入れ墨の有無に至るまで、4ページにわたってしっかりと記入することになる。さらに三宅さんは、採用する側にも一定の基準を設けているという。

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「本人が希望した時に身元引受人になっていただくこと。寮なり社宅なりの住居支援をしていただくこと。給料の前貸しなり、一部日払いなりで当座の生活費の支援をしていただくこと。やはり普通に家があって、お給料日まで暮らせる蓄えとかがある人がわりと普通の求人だと思うんですけど。環境が違う人達なので、それに合わせていただかないと、この求人はうまくいきません」

 創刊から4年あまりで応募は約1600件。内定者は200人を超える。

 「出所者雇用は9割が飛ぶ(=いなくなる)」と言われる中、「Chance!!」を介して職を得た元受刑者の定着率は約40%と高い数字となっている。

「やさしい社会になったらいいなって思っています。そのために、こういった方々を受け入れたいと思う企業を受け入れる企業をもっと、もっと増やして行きたい。日本中まだまだ沢山あると思うんです」

(『ABEMAヒルズ』より)

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