2022年4月から放送されているTVアニメ「かぐや様は告らせたい」(以下、「かぐや様」)第3期で、主人公の1人・四宮かぐやに匹敵する家柄と才能を持つ天才少女として、いよいよ本格登場するようになった四条眞紀。アニメ第1期、第2期ではわずかな登場機会だったが、第3期でついにかぐやと接触。今後どのような人間関係を築いていくかに注目が集まっている。
そこで今回の記事では、かぐや役の声優・古賀葵さんと眞紀の声を演じる市ノ瀬加那さんに、それぞれが演じているキャラクターにとってお互いのキャラクターはどういう存在なのかを聞いてみた。かぐやは眞紀を、眞紀はかぐやをどんな目で見ているのか……中の人の言葉を通して、2人の関係に迫っていく。
――ご自身が演じられているキャラクター……古賀さんならかぐや、市ノ瀬さんなら眞紀にとって、お互いのキャラクターはどういう存在だと思いますか?
古賀葵さん(以下、古賀):眞紀ちゃんは、かぐやとはすごく家柄的に複雑な関係と言うか……。同い年ではあるんですけど再従祖叔母(はとこおおおば)というポジションであったりとか、家柄的にも生まれてからずっとそうなんでしょうけど相容れぬ関係だったりして、実際に2人で会うとピリッとした感じのシーンになるんですけど、そういうのがなかったらもっと仲良くなれてたんじゃないかと思ったりもします。
眞紀ちゃんとかぐやは性格的にもすごくブレるポイントとか感情の起伏が不安定なところが似ているんですけど、第3期になってようやく似てきたんだなというところもすごく感じました。多分、眞紀ちゃんは最初からずっとそういう豊かな部分を持っていて、自分がやりたいと思ったことができる子だったけど、かぐやはみんなと触れ合ってきてからだんだん人間の心を掴んでいった子なので、今は似ているようなところがあるけれど、たどってきたところは全然違うんだろうなと。
市ノ瀬さんが演じられていてそれがとても伝わりますし、石上くんに「好きなんでしょ」って詰め寄られて最後の最後に「うん」って言っちゃうところとか、多分かぐやだったら同じようにできてないと思うので、そういうところの年相応のかわいらしさがしっかりあって「そのまま行ってくれ」と思ったりしますね。かぐやを演じているからこそ、最終的にはちゃんと素直になれるところはうらやましいと思っています。
市ノ瀬加那さん(以下、市ノ瀬):そうですね、眞紀ちゃんから見たかぐやも、やっぱり家柄や性格が似ているせいで同族嫌悪があって、結構バチバチしちゃうんじゃないかなと思うんです。どっちかが素直になれれば滅茶苦茶仲良くなれそうな気はするんですけど(笑)、やっぱりお互い素直じゃないのでこの距離感になっていて、でも言い合いが続いているのがまた2人の仲の良さが出ている感じがしてすごくいいなと。
血筋的にはかぐやのほうが上という感じですけど、そんなに眞紀ちゃん自身は気にしてなさそうだなとは思います。だからかぐやに「おばさま」と言えたりしてるんだろうなと。ちょっかいのかけ具合を見ていると、年相応のやり取りを本当はしたいのかなと思います。だから2人の絡みを見ていると、すごくかわいいなといつもニッコリしちゃいますね。
――ところで、もしお互いの担当キャラクターを入れ替えて演じたとしたら、どんな点に苦労しそうだと思いますか?
市ノ瀬:えーっ、何だろう……。古賀さんがかぐやにハマり過ぎていて、自分が演じているところが想像できないというか……(笑)。古賀さんは同世代の声優としてここまでヒロインとしてバッチリと演じていて、いろいろ吸収するものは多いので入れ替えたりせずに見ていたい、というのがありのままの感想なんですけど。
古賀:私も眞紀ちゃんを演じるならというのが考えられないですかね。似ていると言っても、根本にあるものが全然違うから、最初から作り直すとかになったりすると……うーん、無理!(笑) やっぱり、似ているとは言っても、眞紀ちゃんには眞紀ちゃんの、かぐやにはかぐやの魅力がいっぱいあるし、似ているがゆえにスイッチしたら滅茶苦茶やりづらそうだなと思います。
どこか似ているところが多いかぐやと眞紀だけに、中の人から見たお互いのキャラクターの印象も似たような内容に。「これならキャラを入れ替えても演じられるのでは」という問いには「現時点で似てはいてもバックボーンが違うのでそう簡単にはいかない」という答えが返ってきた。
それだけ声優陣が細かく担当キャラクターの個性を突き詰めて演じていることがよくわかるインタビューとなったが、次に「かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-」を観るときは、そんなお2人の演技に注目して視聴してみるのも面白いのではないだろうか?
(C)赤坂アカ/集英社・かぐや様は告らせたい製作委員会