政府は14日の閣議で、2022年版の「男女共同参画白書」を決定した。中でも「20代男性の4割が“デート経験”なし」といった調査結果などが発表され、Twitterでは関連ワードが軒並みトレンド入りし、話題を集めた。
【映像】男女2万人に聞いた「これまでの恋人の人数・デートした人数」(4:30ごろ)
1999年11月に制定された男女共同参画基本法に基づいて、平成12年から毎年作成される「男女共同参画白書」。今回、野田聖子男女共同参画担当相を筆頭に、政府が最も強調したのは「もはや昭和ではない」だ。未婚率の上昇、共働き世帯の増加など、多様化した家族の現状を踏まえ「さまざまな政策や制度が戦後の高度成長期のまま」として、配偶者控除など、各種制度を見直す必要があると提起した。
「もはや昭和ではない」の意味について、野田大臣は「雰囲気や印象論ではなく、実態として国の骨格が変わったということ」とコメント。「人生100年時代を迎え、女性の半数以上が90歳まで生き、離婚件数は、結婚件数の3分の1に上り、50歳時点で配偶者のいない人の割合が、男女ともに約3割に達するなど、家族の姿や人々の人生が大きく変化・多様化した実態をエビデンスに基づき明らかした」と述べた。
実際に野田大臣の会見を取材したテレビ朝日・政治部の今野忍記者は「安倍政権時代も『女性活躍』『一億総活躍社会』『人づくり革命』とさまざまなスローガンを掲げていたが、自民党政権下であまり変わってこなかったことが現状としてある」と話す。
「中には配偶者控除を受けるために、やむを得ず年収が103万円以下になるよう調整して、時給を下げてもらってまで働く女性がいる。あえて『昭和ではない』という言葉を使い、いわゆる世帯主である夫がいて、妻が専業主婦になって子育てするといったモデルに政府は警鐘を鳴らしたいとみている」(以下、今野記者)
すでに令和も4年だが、平成は30年あった。政府は「昭和ではない」と強調しているが、平成はどこへいってしまったのか。
今野記者は「『昭和ではない』について、今さら何を言っているのか、疑問に思う人もいるかもしれない。『男女共同参画白書』は『女性の現状と施策』、昭和時代は『婦人の現状と施策』といった前身があるものの、政府は平成にこういう調査をしてこなかった。『怠ってきた』と認めている」とコメント。
「発表された同白書の『積極的に結婚したいと思わない理由』を見ると『名字・姓を変えたくない』と考える人が実際に2〜3割ほどいる。これはやはり制度が邪魔している。選択的夫婦別姓に賛成していないのは自民党だけだ。他の党は選択的夫婦別姓を認めているか、条件付きで認めている党だ。自民党の岩盤支持層といわれる人たちが選択的夫婦別姓に賛成していないなら、党としては掲げられない。ただ、高市早苗政調会長は旧姓の使用の仕方について『利便性を高めていくべき』だと主張していて、自民党の中には違う意見を持つ議員もいる。『もはや昭和ではない』の意味は、今後は女性を取り巻く法律を変えていくという提起だ」
(「ABEMA NEWS」より)