6月19日、TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて、映画『メタモルフォーゼの縁側』公開記念舞台挨拶が行われ、芦田愛菜、宮本信子、高橋恭平なにわ男子)、古川琴音生田智子、汐谷友希、そして狩山俊輔監督が登壇。23日に誕生日を迎える芦田を登壇者全員でサプライズプレゼントとともに祝福した。

この記事の写真をみる(2枚)

【映像】芦田愛菜出演『うさぎドロップ』

 同作の主人公の佐山うららを演じるのは芦田愛菜。うららは、周囲に馴染めずひとりこっそりとBL漫画を読むことを毎日の楽しみにしている17歳の女子高生。もうひとりの主人公・市野井雪を演じるのは宮本信子。雪は夫に先立たれ孤独に暮らす75歳の老婦人。雪がキレイな表紙に惹かれて買った漫画がBLだったことをきっかけに出会ったふたりが、一緒に漫画を読んで、一緒に笑って、一緒に泣いて、時には激論を交わし、BLで繋がったふたりが育む年の差58歳の友情と挑戦が描かれる。


 うららの幼馴染・紡に高橋恭平(なにわ男子)、うらら&雪が熱狂するBL漫画家コメダ優役に古川琴音、雪を気に掛ける娘・花江役に生田智子、うららのクラスのマドンナ・英莉役に汐谷友希、雪の習字教室の生徒でご近所同士の沼田役を光石研が演じる。

拡大する


 観客の感想や質問を受けて話を聞いていく今回の舞台挨拶。本作で走るシーンが多かった芦田は「走るシーンでは、シーンごとになぜ走っているのか、その理由を考えながら気持ちを込めて走っていました。うまく表現できてたら嬉しいです。」と撮影当時のことをふり返り、それに対し監督は「芦田さん、走るのがめちゃくちゃ早いんです。カメラが追えないくらい早くて、なんとか撮影しました。」と初めて明かすエピソードも。


 劇中でうららと雪が推す漫画家・コメダ優役を演じた古川は、観客から最も“泣いた!”という声の多かったサイン会を振り返り「私もサイン会のシーンは心に残ってます。宮本さん演じる雪さんの目が輝いてキラキラしていて。その目を見ていると、私自身、込み上げてくるものがありました。」と宮本との初共演の印象を明し、宮本も「あのシーンは、それまでのシーンが積み重なって出来たクライマックスの一つでした。雪さんの生活が少しずつ華やかに変わっていくように、映画を観ていただく人にも希望と勇気と好きなものを見つめてほしいなと、思って演じました。」と話した。雪の娘・花江役を演じた生田は雪の家での撮影について聞かれると「花江が家で酔っ払って寝てしまうシーンの撮影で、実はスタンバイ中にこっそり薄目を開けて、芦田さんと監督が真剣な表情でお芝居の打ち合わせをしているのを見ていたんです。どんなシーンに仕上がるのか楽しみにしていました」とコメント。

 そして、デビュー後映画初出演になる高橋と映画自体初出演となる汐谷は、ふたりのクランクインだったうららがバイトしている本屋での撮影について「英莉ちゃん(汐谷)と二人でのやり取りがすごく青春っぽくて楽しみながらやりました。」(高橋)とその印象を話し、汐谷は「あんなに緊張して本屋さんへ入ったことはありませんでした。あの時は、ここから映画の撮影が始まるんだなと気持ちが引き締まる思いでした。」(汐谷)と撮影を振り返った。

 改めてこれから映画をご覧になる方に注目してほしいポイントとして、芦田は「うららのこだわりが溢れてる小道具やセットです。漫画を描いている机は押し入れの襖を取って机にしていたり、着てる服も古着だったり。キャラクターらしさを表現する工夫をぜひ見てほしいです。」とコメント。続いて宮本が「硬いかぼちゃを切ることができず、包丁が刺さったままのカボチャをまな板の上に置いたままご飯を一人で食べているシーン、思わずクスッと笑えて大好きなんです。」と答えると、映画を見たばかりの会場からも笑い声が。そして高橋は「紡の滑り台の降り方です。紡はお茶目で挑戦的なので、座って降りるのではなく、駆け降りるだろうなと思って疾走しました。」と答え、古川は「漫画家の役ということで、絵を描く練習をたくさんしました。絵を描いているシーンの手元にぜひ注目して欲しいです。」と話した。さらに生田は「ノルウェーに住んでいる役なので、衣装やネイルなどを明るく派手めにして、驚き方なども、おおらかに見えるように演じました。」と役作りのポイントを披露、汐谷は「ぜひご覧頂きたのが、階段でうららと話すシーンです。あのシーンで初めてしっかりとうららを目を見て話が出来た気がしたので注目してほしいです。」と答えた。

 ここで6月23日に18歳の誕生日を迎える芦田にサプライズでケーキが登場!共演者・監督、そして会場の観客から温かい祝福が送られた。「本当に聞いてない!びっくりですが本当に嬉しいです!」と感激している様子の芦田へ、監督は「お誕生日おめでとうございます。多彩な芦田さんに言うこともないのですが…忙しいと思うんですけど、映画にも出てくるセリフのように“フラフラできる時にはフラフラしてもいい”と思います。」とメッセージが贈られ、さらに宮本からも「愛菜さん18歳おめでとうございます。何もかもパーフェクトにこなしてらっしゃるので、時々フラフラしながらこれからも頑張ってください。私も少し離れたところから愛菜さんをずっと見守っています。」と心を込めて祝福。

 最後に観客に向け芦田から「“縁側”とは家の中と外側をつなげてくれるものだと思っています。うららと雪さんのような素敵な出会いがお客様にも訪れる映画になったら良いなと思います。」と挨拶し舞台挨拶を締めくくった。

ストーリー

17歳の女子高生と75歳の老婦人。二人をつないだのはボーイズ・ラブ。
年の差58歳。最初の青春、最後の青春。
うらら、17歳。毎晩こっそりBL漫画を楽しむ女子高生。
雪、75歳。夫に先立たれたひとり暮らしの老婦人。
ある日、ふたりは同じ本屋にいた。うららはレジでバイト。
雪はきれいな表紙に惹かれて漫画を手にとっていた。それがBLだった。
初めての世界に驚きつつも、男子たちが繰り広げる恋物語にすっかり魅了されてしまう雪。
そんなふたりがBLコーナーで出会ったとき、それぞれ閉じ込めていたBL愛が次から次へと湧き出した。
それからは雪の家の縁側にあつまり、読んでは語りを繰り返すことに。そして二人はある挑戦を決意する。

(c)2022「メタモルフォーゼの縁側」製作委員会

この記事の画像一覧
ムロツヨシ&岸井ゆきの「人との関わり方を考えさせられる」映画『神は見返りを求める』インタビュー
この記事の写真をみる(2枚)