「現在予想を上回るご注文を頂き、品薄が続いております。ご迷惑をおかけ致しまして大変申し訳ございません」
供給が追いつかないほど売れているというのが、日本初のノンワイヤーブラ専門ブランド・BELLE MACARON(ベルマカロン)の女性用下着。このブランドの代表・小島未紅さんに話を聞くと、実に意外な経歴の持ち主だった。
「入社3年目までシステムエンジニアとして働いていたんですが、その仕事をしながら残業時間とかデスクワークのときにブラジャーの悩みがありまして、痛みだったり苦しさというところから解放されたくて、自分の悩みに応える下着を開発し始めたという形です。残業時間になると夜トイレに行って、隠れてブラジャーをとって休憩したりという過ごし方をしていました」
既存の下着に苦しさを感じ、その悩みを解消すべく、初めは仕事を続けながら趣味のような感覚で理想の下着の構想を始めたという。徐々にその楽しさや、同じ悩みを持つ女性の多さに気づき、商品開発が本格化していった。
「私のブラジャーの悩みがワイヤーの痛みと締め付けというところだったので、それを取り除くためにノンワイヤーにしてストレッチ素材を使った設計にしました」
共に開発してくれるメーカーを探すため、200件ものリストを作り、毎日仕事の昼休みに電話をかけ続けたという小島さん。そんな地道な努力を重ねた上で、商品販売に向けた武器となったのがネットの活用だった。
「商品を作りながらクラウドファンディングをしていたので、そこで最初に世の中に発信という形でお披露目をして、その後は自分でECサイトを作って、そこで販売をスタートしました。30万くらいで目標金額は達成したんですが、それが資金になるというかは『これをほしい』と思って下さる方がいるかというテストマーケティングとして成果を感じられた経験だったと思います」
資金集めのイメージが強いクラウドファンディングだが、一番の目的は自分が考えるコンセプトへの反応を探ること。試行錯誤する中、会社の立ち上げから2年後に現在の主力商品「24hブラ」の販売を開始した。
PRに関しては、美容系でよく利用されるInstagramではなくTwitterを重視。商品数が少ない当初、画像がメインのInstagramよりもTwitterで自分の思いや商品開発のストーリーを発信したほうが、より思いが共有できると考えたと小島さんは振り返る。
すると販売開始から3日間で売り上げ300万円を達成。去年の夏には1日で2000万円を売り上げる日もあるなど、大ヒット商品となった。
自身のブランドを確立した小島さんだが、そもそもの始まりはシステムエンジニアとして働く中で抱えていた悩み。「自分の思いを形にするチャンスは誰にでもある」と、最後に小島さんは訴えた。
「起業というとハードルが高く感じる方もいらっしゃると思いますし、私もその一人だったんですけれど、実際今始めると、ネットショップとかブランドを作るというところであれば、スモールスタートでも始められると思っています。女性というところでいうと、私も実際に起業をした後は、働く時間や場所に縛られずに、自分の好きな仕事が出来ているので、女性のキャリア形成という意味でもすごくおすすめできる選択かなと思っています」
(『ABEMAヒルズ』より)
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