6月22日に行われた千葉ロッテマリーンズ対埼玉西武ライオンズの一戦で、西武の内野陣が披露した“伏線プレー”について、元・千葉ロッテマリーンズの野球解説者・里崎智也氏が言及した。
ロッテが先制し、1-0で迎えたこの試合の6回裏・ロッテの攻撃。1死三塁、打席には4番・山口航輝という場面で、カウント0-2からの3球目、ピッチアウト気味に外したボールを要求した西武のキャッチャー・古賀悠斗は、これを捕るとすぐさまピックオフプレーで三塁へと送球。しかし三塁ランナーのロッテ・高部瑛斗がアウトになることはなく、余裕を持って帰塁してセーフに。
一見、何気ないプレーに見えるシーンだが、里崎氏は「高部としては余裕でセーフだったので、“そんなのもうバレてるよ”っていうところですけども」と走者の思考に言及。一方で、「これをすることによって高部のリード、スタートが1歩遅れるんです」と、このピックオフプレーの効果を説明する。
実際、この直後、打者の山口はほぼ真ん中高めのストレートに詰まらせてショートへの内野ゴロを打つが、いわゆる「ゴロゴー」の状態となっていたこともあって、高部はそのままホームインを狙って果敢に突入。しかし、わずかに及ばず、高部は本塁憤死となった。
この一連のプレー里崎氏は「なんてことのない古賀のピックオフプレーですけども、ああいうことをしっかりやることによって、“ひょっとしたらまた三塁に投げてくるかもしれない”と。前に行くだけじゃなくて、帰らなきゃいけない意識が高部に生まれたことによって、ホームへのスタートも一歩遅れた。ショートゴロを(捕球した)源田が涼しい顔で投げる守備力の高さはそうですけど、1歩でもスタートが良かったらセーフですから。ランナーっていうのは1歩の大事さ、その1歩でアウトかセーフか決まる。守備側はランナーにその1歩を速く踏み出させないように、牽制やピックオフプレー、あとは野手の動きなんかで制御する。それがまさに上手くいったこの西武ライオンズの守備が、この1点を防ぎましたよね。」と、攻守双方に“1歩”が重要な意味を持っていることを解説し、「アマチュア野球の指導者やプレーヤーにも伝えたい」と話した。(ABEMA『バズ!パ・リーグ』)