井出隼平五段の脱力系解説「わかりません」に聞き手女流が“反撃”「困りますね」「指してください」/将棋・ABEMAトーナメント
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 わからないものはわからない。考え方次第では、実に潔い解説だ。将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の予選Dリーグ第2試合、チーム天彦とチーム稲葉の対戦が6月25日に放送された。全7局の接戦を解説したのは井出隼平五段(31)。同大会では過去にも解説を務め、独特な表現でファンを楽しませてきたが、今回注目されたのがその適度に力を抜いた話しぶり。難解な局面において、無理に形勢がどちらということをせず、素直に「わかりません」と伝えた。ただ、これに反応したのが小高佐季子女流初段(20)。笑い混じりに「困りますね」「指してください」と突っ込んだところが、視聴者の笑いを誘うことになった。

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 放送対局の解説ともなれば、両者の手の意味を読み取り今後予想される展開や、さらには分岐まで広げて説明することが求められる、なかなかハードな役回り。対戦する棋士のレベルが上がれば解説の難易度も上がり、さらに同大会のように超早指しともなれば、考えている時間もない。多くの棋士がなんとか説明しようとひねり出すところだが、井出五段は全く無理をしなかった。対局が序盤から中盤に差し掛かるところで現在の形勢を聞かれると、「肝心の形勢はまだわかりません」「互角かどうかは知りません」「互角と言えるほどの実力は、私にはないです」ときっぱり。あまりの潔さにファンから「わからんのかいw」「正直でいいな」といった反応も出るほどだった。

 ただ、ここで食い下がったのが小高女流初段。「困りますね」と切り返すと、その他の場面でも井出五段が「どうなるんでしょう。全くわかりません」と言ったところで、被せるように「ふふふ。先生だったら何を指しますか。指してください」と言い寄った。よもやの反撃はファンにも刺さったようで「指してくださいw」「かわいいかよ」「小高ちゃん切りこんだあああ」といった反応が寄せられていた。

 なお井出五段は、全ての局面で「わかりません」と答えるわけではなく、自分が判別できる局面においては「先手の模様がいい」「はっきりと後手がよくなりました」と断言。それだけ「わかりません」と答える場面は対局者にとって難解な局面で、断言し始める頃には対局者も優勢、劣勢を自覚しているということがわかるという解説だった。また、小高女流初段のやり取りは局を重ねるごとに会話のテンポもうまく噛み合い、全7局を終えることにはすっかり名コンビになっていた。

◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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