「正直こういう状況になってしまったので、辞められた方、今生活が苦しくなっている方、大変心苦しく思っておりまして」
番組の取材に応じたのは、脱毛サロン「キレイモ」運営会社の幹部の男性だ。キレイモをめぐっては4月、従業員への給料の支払いが2カ月連続で遅れていたことが発覚。さらに業界団体には、全国660人以上の客から「コースを途中で解約したのに返金されない」といった相談が寄せられ、その数は増え続けている。
「苦肉の策といいますか、仕方なくっていう言い方は良くないかも知れないんですけど、そちらの対応をさせていただきました」
会社を立て直すための策を講じたと語った幹部の男性。その一方で、支払いの遅れが多方面に及んでいる実態も新たに見えてきた。
28日、千葉県内にあるキレイモの店頭で、一枚の張り紙を見つめる女性がいた。
「(張り紙が)ほとんどメールと同じ内容だったので、予約してた側からすればどうしていいかわからないので困りました」
女性は先週、この店舗で脱毛の施術を受ける予定だったが、直前になって、キレイモから1通のメールが届いたという。
「お客様各位 6月25日から30日の間、キレイモ全店臨時休業となります。何卒ご理解のほど宜しくお願い申し上げます」(メール文面)
なんと、全国およそ60店舗全てが、休業。女性は「予約してた当日の夜中の12時に急にメールで休業しますという連絡だけ来て、どうしていいかわからない状態です」と困惑を隠せない。
「予定を空けてたこともあったし、予約も全然とれないので、この先も予約とれるのかなって不安もあります」
客に全店舗休業のメールが届く、わずか30分前、かつてキレイモで働いていた女性の元にもあるメールが届いていた。
「給与振り込みが間に合わないと、会社側からありました。30日までには確実に支給されると確認が取れています」
「最初、あ、もしかしたらまたやってるんだろうなって思ったんですけど、案の定そのメールが来たので先月も退職した人に送ったメールとほぼ内容が一緒だったので、見飽きたっていう感じですね」
女性は、給料の支払いの遅れが2カ月連続で続いたことなどに嫌気がさし、先月末でキレイモを退社。先週金曜日に最後の給料が振り込まれるはずだったが、またしても、入金がなかった。
「まず家賃がまだ払えていない状態になっちゃっているので、今月不動産会社の方との信頼がなくなるので、振り込んでいただきたい」
さらに番組が取材を進めると、取引先への支払いも滞っていることが新たに分かった。
店舗の内装を手がけていた会社の社長はこう話す。
「お仕事させてもらったものに対して、およそ1000万円お支払いが頂けていない状況で」
「壁立てたり電気工事やったり一式工事を請け負っている流れになるので、非常に困りますね」
支払いの遅れは、数カ月にも及んでいるという。
「どういうつもりなのかなというのは正直、こちらも疑問ではありますけれども、うちの従業員にも、お給料を払っていかなければいけないので」
客と元従業員、そして取引先は、キレイモ本社や社長から、明確な説明がないことに不安を募らせている。
従業員や利用客などとの金銭トラブルが起こり、全店舗休業にまで追い込まれた、脱毛サロン「キレイモ」。番組では東京・渋谷区にある本社を直撃取材した。
社長に取材を申し込むと幹部の男性がやってきた。
幹部「社長の方がですね、別途対応に入っておりまして、今すぐ対応することができないため、代わりに私がやらさせていただきます」
従業員への給料の支払いや客への返金が遅れている理由について聞くと「給与に関してはすべて(支払いが)完了していて、解約金のお客様には大変恐縮ですが、今しばらくお待ちくださいっていうところで随時対応になっています」と答えた。
また、支払いのめどについては「何日というのははっきりお伝えできないのですが、分かれば公式に発表したいと思っております」とコメント。経営状態が悪化した理由を聞くと「2021年の11月30日で経営の方を交代して、その段階で実は経営状況というのが良くなくて、新型コロナウイルスによる影響であったり、計画通り売り上げの確保というものが正直難しくなりました」と明かした。
幹部の男性は取引先への支払いについても「順次対応していく」と話している。
「倒産はいたしません。新しく協力していただけるスポンサー様と連携して、そちらは今、進めてる段階です」
その後、社長が取材に書面で回答した。
「この度は、お客様・取引先様にご迷惑をおかけして誠に申し訳ございません。現状の問題を解決していき、社員一丸となりキレイモを再建していきます」(直筆コメント)
(「ABEMAヒルズ」より)
■Pick Up
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側