EXIT兼近大樹「アートであると同時に落書きだから価値がある」りんたろー。「違法だけど認められたというところにエモさがある」渋谷区が撤去したモザイクアート、残すべきだった?
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 渋谷駅近くのJR線高架下に描かれた『鉄腕アトム』のモザイクアート。2014年に正体不明の芸術家「インベーダー」によって描かれたとされるもので、当地を代表する“路上アート”の一つとなっていた。

【映像】芸術?落書き?渋谷の「アトム」壁アート撤去で波紋

EXIT兼近大樹「アートであると同時に落書きだから価値がある」りんたろー。「違法だけど認められたというところにエモさがある」渋谷区が撤去したモザイクアート、残すべきだった?

 ところが先月、「落書き対策プロジェクト」事業を進める区によって絵は撤去。「違法行為であり、落書きを誘発させる」とする区の判断に、ネット上では惜しむ声が相次いでいる。

EXIT兼近大樹「アートであると同時に落書きだから価値がある」りんたろー。「違法だけど認められたというところにエモさがある」渋谷区が撤去したモザイクアート、残すべきだった?

 路上アートを巡っては2019年、東京・港区の防潮扉に世界的芸術家・バンクシーの作品によく似たネズミの絵が発見され、小池都知事も「あのバンクシーの作品かもしれないカワイイねずみの絵が都内にありました! 東京への贈り物かも?」とツイート。都が「バンクシー作品らしきネズミの絵」として展示するなど、地域の活性化に一役買った事例もある。

■「目立つ場所に“日本っぽいもの”を置いた作品」

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 インベーダーに関しても、同じ図柄の作品がオークションに出品された際には日本円でおよそ1億6500万円の落札額を付けるなど、評価は非常に高い。ストリートアーティストの西広太志氏も「渋谷の中でも象徴的な作品だった。もちろんいつかは消されると思っていたが、長い間残っていたのでびっくりした」と話す。

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 「インベーダーの場合は顔も名前も明かしていないアーティストで、東京には1990年代から来ていて、“ここにどれくらい人が通っているか”といったことをリサーチして描いている。消された作品に関しても、目立つ場所に日本っぽいものを置いたんだと思う。やみくもにやっているわけではない。

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 そもそも日本では“ストリートアート”ということで一人歩きしているが、元々グラフィティというのは落書きから始まったもので、それはバンクシーも同じだ。いずれにしろ芸術なのか否かは見た人が決めればいいが、都知事がバンクシーを“合法”っぽくしちゃったことによって歪んだ感じがあるが、もうちょっと、それぞれがどこから出てきたものなのかが認識されないと、議論が進まないと思う」。

■「区は消去するメリットの方が大きいと判断した」

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 一方、東京都市大学の小林茂雄教授は「確かに有名なアーティストによる、渋谷のカルチャーを読み取った上での質の高い作品だ。ただし許可無く描かれた物である以上、撤去されても仕方がない」と話す。

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 「確かに街中に偶発的に描かれるストリートアートには、誰も気づいていないような街の魅力を発見したり、街への愛着を生んだりする効果もある。また、これまでグラフィティだけでなく、ダンスや音楽、ファッションなど、様々な渋谷の文化はストリートから生まれてきた。だから支持されるような作品、アート性の高い作品については残した方がいいのではという意見もあった。

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 ただ、そういうストリートアートはごく一部で、多くは残すようなレベルに達していないと思うし、違法で異様なグラフィティは人々に不安を感じさせてしまうことにもつながる。あるいは面白いグラフィティ、かっこいいグラフィティは真似したくなるので、100倍、1000倍と模倣が増えていき、街の治安が悪化する。

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 グラフィティを消していくことで渋谷の魅力が失われ、外国人観光客が訪れようと思わなくなってしまうというデメリットもあるだろう、それでも渋谷駅周辺では落書きが増えてきているし、区としては消去するメリットの方が大きいと判断し、年間1億円の費用をかけて消去しているということだ。バンクシーの故郷ブリストルでも、その違法なグラフィティを残すべきかの議論を続けているが、日本もこうしたことを踏まえて、基準についての教育をしたり、ディスカッションをしたりすべきだと思う」。

■「どちらかをマルに、どちらかをバツにしなければならないと考えがち」

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 EXIT兼近大樹は「その場所で生まれ育った不良が壁に描いた“喧嘩上等”も、落書きであると同時にリアルなアートだから価値があると思う」、りんたろー。は「僕はKAWSというアーティストが好きだが、法律的にダメだからと言い続けていたら、KAWSは生まれてなかったと思う。むしろ、実は役所の中に協力者がいたのではないかとさえ言われている。そんなアーティストが美術館で展示をやっているというストーリーにエモさを感じてしまう」とコメント。

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 慶應義塾大学の若新雄純特任准教授は「有名なアーティストによる芸術であり、違法な落書きである、というのが結論だと思うが、学校や役所に代表される真面目な大人たちは、相反するものは同時に存在できないので、どちらかをマルに、どちらかをバツにしなければならないと考える。そして、どうやって生まれてきたかという背景を知ることが大事なのに、僕たちは誰か有名な人が認めただけで、“あの人が認めたんだから良いものに違いない”と思い込んで、それ以上考えることをしなくなる。子どもたちがディベートする時には、こういう線引きが難しく、肯定・否定・両方の立場から考えることのできる問題こそテーマにすべきだ。多様な文化がある国の人たちは、こういう決着がつかない問題で常にディベートしている。僕たち日本人は、そこが弱いんだということが分かる問題だと思う」と語っていた。(『ABEMA Prime』より)

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