特定の宗教団体の名前をあげ、「安倍元総理がその宗教団体と関係があると考え、殺そうと思った」という趣旨の供述をしている、山上徹也容疑者。警察が供述の裏付けと詳しい動機の解明を進める中、今回の事件を受け、特別な思いを抱いた人がいる。
「彼のやったことは最悪なテロ行為ですが、もしかしたらあれは自分だったんじゃないかと考えてしまうことがあって」
母親が信仰する宗教を強制され、絶縁する形で抜け出した経験がある元宗教2世のiidabiiさん。心の拠り所となる宗教も、一部の人にとっては別の側面を持つことを改めて感じたという。
「(山上容疑者とは)全く宗教も違うし、受けてきた経験のハードさが違うんですが、ずっと見過ごされてきたという点では、共通してるのかなというのはあって。もしそれが本当の話で、本当の動機であったとしたら、どうして彼がこういう行動に至るまで、誰も何もしようとしなかったんだろうというのは(思います)」
家族や自分自身が、信仰する宗教と真剣に向き合ったときに生まれる葛藤。悩み、孤立する人々がいる現実に、目を向けなければならないとiidabiiさんは訴える。
「ここ数年で宗教2世の問題が顕在化してきたが、その問題は社会でずっと放置されてきた。それは触れちゃいけないもの、信仰は自由だからと放置されて、こんなに苦しんでいる人たちがいるのに、こんなに俺苦しんでいるのに無視されるんだ、見過ごされるんだ、取り残されるんだ。という感じでこの社会って最悪だなと思って生きて、家族がつらい目にあっているにもかかわらず誰も何も止めない」
宗教が理由で困難が生じても、家族の問題に他人が立ち入ることができない。悩みを抱えても助けを求める場所がない、そんな社会の現状が最悪の形で暴発してしまったのではないかとiidabiiさんは話す。
最後に、今まさに悩みを抱える人にこうメッセージを送った。
「本当にその信仰が自分自身の正直な気持で心から信じているものなら強く持っていてほしいと思います。ただ少しでも自分自身以外の気持ちが混ざっていたり、家族が、友達が仲間がという言葉が入ってくる理由だったら、あなたの人生ではなくなってくるので、自分の本当の気持ちを大切にしてあげてください」
(『ABEMAヒルズ』より)
※本記事では宗教を通じて生じた親子問題を取り上げていますが、特定の団体や個人、宗教の自由を否定する意図はありません。
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