将棋のお~いお茶杯王位戦七番勝負第2局、藤井聡太王位(竜王、叡王、王将、棋聖、19)と豊島将之九段(32)の対局が7月14日に行われ、ABEMAの解説に中川大輔八段(54)が出演した。中川八段は、7月8日に棋王戦挑戦者決定トーナメントで藤井王位と初対戦。体感したばかりの藤井王位の強さの秘密を語った。
藤井王位と中川八段の初手合いとなった棋王戦挑戦者決定トーナメントは、角換わりの出だしから中盤で藤井王位が優勢に立ったが、攻め合いから中川八段が反撃。一時は五分五分の状態まで押し返したが、逆転には至らず116手で藤井王位が勝利を飾った。中川八段は、令和の絶対王者との対戦を「宝くじに当たったようなもの」と独特の表現で振り返り、ファンからは大きな反響があった。
この日は、その藤井王位の対局の解説者として出演。実際に藤井王位と盤を挟んだ対局を振り返り、「藤井さんはタイトル戦と並行。これだけお忙しいと(私との対局は)軽く流してくれるかと思ったら、ガッツリ読んできて。序盤も私よりたっぷり時間をかけて丁寧に読みこまれて、一言で言うと、付け入る隙がなかった」と柔らかな表情で語った。
さらに対戦を野球に例え、「ピッチャーは1番バッターから9番バッターまで全員に全力投球はしない。私のような下位打線の打者が立った時に決め球は3球放ってこないんですよね。でも藤井さんの場合は、あらゆる球が決め球だから打つ方が全部大変。そうそう打てないんですよね」とその印象を話した。「藤井さんの頭の中をのぞいたことは無いけれど、きっと将棋盤があるだけ。局面のどれが最善かということだけが関心ごとで、軽く流したりとかどの棋戦が大事とか何回戦とか、この将棋を勝つと楽になる、厳しくなるという概念が無いということが、よーくわかりました」と実感を込めた。
このエピソードに、ファンからは「中川先生かっこいいです!」「野球の例えわかりやすい」「対局楽しかったのが伝わる」「いいお話」「経験者だけがお話できることですね」「子供みたいな年齢なのに竜王をリスペクトしているのが伝わる」「すごくいい対局でした」と多数のコメントが寄せられていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)