週刊少年マガジン(講談社)で好評連載中のラブコメ作品『彼女、お借りします』が、7月に待望のアニメ第2期を迎えた。2年前に放送された第1期も好評で、さらに原作への注目が高まると、同時に7月から実写ドラマの放送も決まった。フラれた大学生が「レンタル彼女」を利用したことをきっかけに広がるストーリーだが、4人いるヒロインの中でも異彩を放つのが主人公・木ノ下和也の元カノ・七海麻美だ。小悪魔的な魅力と言えばかわいいが、水原千鶴、更科瑠夏、桜沢墨と次々に美女が和也と気持ちを通わせる様子を見て、腹黒さ・闇深さという本性を発揮。演じている声優・悠木碧にしても、突然現れ和也たちを驚かせるあたりは「ホラー作品ですよ」というほどだ。かわいらしさと恐ろしさが同居する麻美の魅力と登場シーンについて、インタビューで聞いた。
麻美は一見すれば人付き合いもよく、明るくかわいいキャラクター。男性に対して絶妙な距離感を作るあたりが「小悪魔的」と語られるポイントだ。
悠木碧 「つい翻弄されたくなる」が、すごく重要なキャラクターかなと思います。裏の部分が特殊なので、そこがフィーチャーされがちなキャラクターではあるんですが、それだけでは絶対にあの子のポジションは成り立たない。なんかわからないけど惹かれちゃう魅力があるなと思いましたし、私自身、麻美にこうされたらドキッと来ちゃうところを、私の好みで盛り込んじゃっているところもあったかもしれませんね。距離を突然詰めてくるところが麻美のメインウェポンだと思っています。さっきまで普通にお茶をしている距離感だったのに、次の瞬間耳元で囁かれているような。距離が麻美にコントロールされている感じを出せたらいいなと思いました。視聴者の人たちは神様の目線で見ているから、どっちの顔も見えるけど、和也君からしたら、現状でもそんなに麻美の裏がバレているわけでもないし、そこが麻美ちゃんの器用な部分なのかなと思っています。
アニメのキャラクターを演じる上で、担当声優と似ている部分という質問はよくあるが、今回ばかりは悠木は麻美と正反対の位置で生きている。それでも想像力を巡らせて熱演している。
悠木碧 麻美に共感できる部分ですか?!そんなに執着する相手に私が出会ったことがないので、彼女と同じ目線に立つのは難しいんですが…(苦笑)。ただ自分よりももっと素敵な女の子が出てきちゃった時に、やきもきするのは性別関係なく、みんなにありますよね。そこは理解できなくはないなと思います。みんなあるんじゃないですかね、その葛藤は。千鶴は本当に素敵な子ですし。ただ、その時に正攻法で攻めるのではなくどんな手を使ってでも、あの子より私の方が素敵だと認めさせてやる…となるあたりが、麻美の怖い部分だなと思います。
自分にない「麻美」要素は、過去の経験から体内で生成した。思い出したのは少女時代の苦手だけど、なんとも捨てきれない同級生だ。
悠木碧 麻美みたいな子って小学校のころからいるじゃないですか。小学校のころから、そういうタイプにケンカを売られがち?だったんです(苦笑)。なので、ずっとそういうありとあらゆる子たちとマッチングしやすくて。たぶん、よきように使うちょうどいい壁だったんでしょうね。それをすごく悔しく思って生きてきたけど、ここに来てね、その敵対してきたことが、こんなに役に立つとは(笑)。だから麻美は、私が言われて一番むかつく感じでやります!ははははは(爆笑)。
ただ嫌われるだけではなく、直後の言葉でつい許してしまう。そんなしたたかさも当時の同級生との経験から学んだことだ。
悠木碧 なんか突然「次の体操、一緒にやろう」とかいって、後ろからギュッとかされるんですよ。「お前!さっきまで私の(こと、あんなにひどくしてた)んー!(じゃないのか)よっ!」みたいな。あれ、すごくずるいですよね。つい許しちゃう。嫌われてなかった!って嬉しくなっちゃう。でも、今思えばあれによって手のひらで踊らされてきたし、私はたぶん、そこに人一倍弱いんですよ。いや、本当に人生、無駄なことは1個もないです(苦笑)。
少女時代の嫌な思い出まで掘り返して演じる麻美は、あまりの怖さに実家で同居する親から「あなたこれ、大丈夫なの…?」と驚かれ、大成功だと自宅で笑ったこともあるらしい。よほど残虐な役ならまだしも、リアルなキャラクターを演じていることを考えれば“快挙”だ。
悠木碧 第2期は、ブラフの期間が終わっているので、ここからはびっくりさせ放題ですね。第1期で「みんな、麻美はかわいいと思ったでしょ?かわいいヒロインと思ったでしょ?残念でしたー」っていうところはお楽しみにいただけたので、ここからは突然出てきてビビらせるっていう、ジョーズのサメの気持ちですよね。1周して、みなさん出てくると楽しくなっちゃうと思います(笑)。
本来なら、突然の再開でうれしいはずの美女・麻美。出てくる度に恐怖する理由とは何か…。悠木の熱演を乗せて、ラブコメ作品らしからぬ背筋も凍るシーンが盛りだくさんだ。
(C)宮島礼吏・講談社/「彼女、お借りします」製作委員会2022
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