86時間、最大3915万回線に影響が及んだKDDIの通信障害。同社は29日に会見を開きユーザーに対する補償について説明する予定で、関係者によれば返金が検討されているといい、その対象は数百万人規模に上る可能性があるという。
2013年の通信障害の際には、“お詫び”として、パケット定額料も込みの1人あたり700円が補償されている。しかし今回は通話のみの障害の可能性があり、その場合は3日間分でも約120円ということになる。
総務省の携帯電話に関するワーキンググループにも参加する株式会社企代表取締役で慶應大学大学院のクロサカタツヤ特任准教授は「まだ正式な発表の前なので想像だが」とした上で説明する。
「まず、今回の補償は基本的に個人の契約者が対象の話で、個別に契約を結んでいる法人への補償は別に行われるはずだ。それから、約款上、明らかに補償しなければいけないだろうという人たちに絞って補償することになるだろう。やはり“全く利用できない”“同程度の状態”など、いかようにも解釈できる表現になっている。これを厳しめに捉えれば、対象者が絞られるのでは、とも考えられる。
一方で、約款の内容が30年前と変わっていないと報じられているが、当時と今とでは技術が全く違う。KDDIとしても品質が高く安定していると言うはずなので、消費者としては“もっと緩めても…”と思うだろうし、今はSNSの時代なので、補償してもらえなかった人たちから“なんで俺が”“なんで私が”という声も出てきてしまうだろう。先々のことを考えれば、ここは“大盤振る舞い”ではないが、対象者を広げて“すみませんでした”という気持ちを示すということもできる。最終的にここをどう判断するかだと思う。
auユーザーだというフリーアナウンサーの柴田阿弥は「今回は大規模で仕事や医療に影響が出た人もいると思うし、補償をしてくれるのはありがたい。ただ、過去にも通信障害は起きたし、“人間がやっていることなので、こういうこともあるよね”という感じで、便利に慣れ過ぎてはいなかったかと、改めて認識した方がいいのかな、とも思った。ちょっと甘いだろうか」とコメント。
するとクロサカ氏は「そう言っていただけると、電話屋さんはものすごく喜ぶ。泣いている人たちがいっぱいいると思う。私もそういう気持ちはもちろんある」としつつ、次のように話した。
「24時間365日使えるということを売りにして商売をされているわけだし、スマホは今や我々にとってもインフラであり、生命線だろう。やはり約款の中には“24時間止まったらその分はお金を払います”ということも書いてあるわけだし、中には2、3日間使えなかったという方もいらっしゃる。補償については正当な権利として主張していい。一方で、“決済ができなかった、この分のお金どうしてくれるんだ”というのは別の話で、これをKDDIが補償するというのはちょっと違うと思う」と応じた。(『ABEMA Prime』より)
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