新型コロナの感染が再び全国で拡大している。今夏に控えていたイベントなどが中止を発表する中、日本以外の海外の状況はどうなっているのだろうか。
【映像】アニメのコスプレ楽しむ現地のファンたち(画像あり)※7:20ごろ〜
ANNロンドン支局・佐藤裕樹記者は「イギリスで新型コロナに感染しても、規制も隔離も必要ない」と語る。その言葉通り、ロンドン市内を見渡すと、ほとんどの市民がマスクをしていない。しかし、現地の感染状況は「日本と同じように感染が拡大傾向にある」という。
「ロンドンがあるイングランド地方では、今月13日までの1週間でおよそ315万人、人口の17人に1人が新型コロナに感染したと推定されています。しかし、イギリスでは新型コロナに感染しても、規制も隔離も必要ないため、感染者は自由に外出が可能です。また、会社に出勤しても問題ありません。ただ、体調不良になる人はいるので、人手不足に陥っています」(以下、佐藤記者)
また、ロンドンのある地下鉄では制御室の従業員が不足し「運休」のアナウンスがあったという。
「これは、日本でいう銀座線が運休になるぐらいのインパクトです。実際には人を集めることができて、運休にはなりませんでした。日本のように『今日の感染者は何人』といった情報や、医療のひっ迫はニュースになっていません。検査をしない人も多く、感染者数は統計データとして推測・推定するしかありません」
日本のように感染者が増えている状況で、何も問題は起きていないのだろうか。
「そもそもイギリスは新型コロナへの向き合い方が、日本と全く違います。日本では新型コロナを、感染症法上の『2類』として、厳格な措置を取っていますが、イギリスではエボラ出血熱、サル痘といった感染症リストに新型コロナは入っていません」
日本では過去最高の感染者数を記録し、イベントを中止ケースも相次いでいる。イギリスでは、7月22日から24日にかけて日本文化の博覧会「ハイパージャパン・フェスティバル」が開催されたが、現地を取材した佐藤記者は、こう振り返る。
「ハイパージャパン・フェスティバルはイギリス最大の日本文化の博覧会です。会場を使ったリアル開催は3年ぶりでした。3日間で3万人が訪れると言われていました。会場では、コスプレを楽しむ人も多く、日本の漫画やアニメのグッズのほか、日本酒なども売られていました。マスクの着用義務はなく、会場に入る際に検温もありませんでした。マスクはつけたい人がつけるのは、もちろん問題ありません。私は6月からロンドンにいますが、日本の感覚では『密だなぁ』と思うと同時に懐かしくも感じました」